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日銀は31日までの2日間、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の動向などについて議論しました。


その結果、2%の物価上昇率の実現に向けて「短期金利」と「長期金利」に誘導目標を設けた今の大規模な金融緩和策を維持することを賛成多数で決めました。


このうち、短期金利は去年導入したマイナス金利政策を維持し、日銀が金融機関から預かる当座預金の一部に適用する金利をマイナス0.1%で据え置きます。


また、長期金利は償還までの期間が10年の国債の利回りが0%程度で推移するよう、国債の残高が年間でおよそ80兆円増えるペースをめどに買い入れます。景気の現状については「緩やかに拡大している」という判断を据え置きました。


日銀は今後も大規模な金融緩和を続けて市場に大量の資金を供給し物価を押し上げたい考えですが、目安となる消費者物価指数の上昇率は直近で0.7%にとどまり、2%の物価目標の実現は程遠いままです。


世界では、アメリカに続きヨーロッパの中央銀行が先週26日に金融緩和の縮小を決めるなど金融政策を正常化させる動きが進んでいて、大規模な金融緩和が長期化する日本との違いが一段と際立ってきています。

2008年のリーマンショック以降、アメリカやヨーロッパの中央銀行は急激に悪化した景気を支えるため大規模な金融緩和に踏み出しました。


それから9年がすぎ、世界的に景気の回復が続くなか、欧米の中央銀行は日銀に先んじて金融緩和を縮小して金融政策を正常化させる、いわゆる「出口政策」を進めています。


このうち、アメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会は、おととし12月にリーマンショック以降続けてきた異例のゼロ金利政策を解除して利上げに踏み出し、その後も3回追加の利上げを行っています。


そして、今月からは市場に大量の資金を供給する量的緩和策で膨らんだ資産規模を段階的に縮小していく段階に入りました。また、今後の政策金利の見通しについて、経済は緩やかな拡大が続くとして年内にあと1回、来年は3回、利上げを行うという想定を示しています。


さらに、ヨーロッパ中央銀行は26日に開いた金融政策を決める理事会で、各国の国債などを買い入れて市場に出回るお金の量を増やす量的緩和の規模を、来年1月から現在の半分にあたる1か月当たり300億ユーロに減らすことを決めました。


このほかカナダの中央銀行は国内経済が堅調だとして、ことし7月およそ7年ぶりに政策金利を引き上げたのに続いて、先月にも金利の引き上げを決めています。


一方、日銀は、国内の景気は緩やかに拡大しているものの目標とする2%の物価目標の達成はほど遠いとして、大規模な金融緩和を続けていくとしています。


このため、欧米の中央銀行で異例の緩和政策から脱し金融政策を正常化させる動きが進んでいるのに対し、日銀は「出口政策」の道筋を示す状況になお至っておらず、政策の方向性の違いが一段と際立ってきています。


2008年のリーマンショック以降、各国の中央銀行は大規模な金融緩和を進めてきましたが、おととしから利上げを始めたアメリカに続き、ヨーロッパ中央銀行も来年から量的緩和の規模を現在の半分に縮小することを決めるなど、金融政策の正常化に向けた「出口政策」を進める動きが相次いでいます。


これについて、黒田総裁は金融政策決定会合のあとの記者会見で「アメリカやヨーロッパは物価安定の目標が達成されるという見込みのもとで正常化が進められているが、日本は2%の物価目標はまだ遠く、出口政策を議論することはかえって市場に対してミスリードになる」と述べ、今、出口政策を議論することは時期尚早だという認識を強調しました。


そして、黒田総裁は日銀として今の大規模な金融緩和を続けていくとしたうえで「将来、金融政策の転換がある場合も考えているが、出口にさしかかる時には実情を踏まえた議論をし、市場と適切に対話していきたい」と述べ、出口政策に転じる際は市場に混乱を起こさないよう対応していくとしました。

4年半前に就任した日銀の黒田総裁は、来年4月に任期を迎えることから、金融市場などでは黒田総裁の再任も含め、後任の人事に注目が集まっています。


これに関連して、金融政策決定会合のあとの記者会見で総裁の資質について尋ねられた黒田総裁は「各国の中央銀行の総裁も同じだと思うが、経済の実態や金融市場の変化をよく踏まえるとともに、経済や金融に関する理論的な理解が必要なのではないか」と述べ、実態を把握する能力と理論的な分析能力が必要だという認識を示しました。


そのうえで黒田総裁は「経済や金融がこれだけ国際化しているので、それに見合う国際的な観点や人的なネットワークを持っていることも非常に必要になってきていると思う」と述べ、中央銀行の総裁にとって国際的な人脈なども重要な資質だという認識を示しました。

#経済統計#リフレ#アベノミクス