https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


シリアでの化学兵器の使用を巡っては、国連とOPCW=化学兵器禁止機関でつくる調査団が2年前から合同で調査を行っていて、先月には、アサド政権がことし4月に猛毒のサリンを使用したとする報告書をまとめています。


この調査団の権限が17日で終了することから、国連安保理ではアメリカが提出した調査権限を1年延長するための決議案がこれまで2度、採決にかけられたものの、アサド政権の後ろ盾となっているロシアが、調査は信用できないとして反対し、拒否権を行使してきました。


これを受けて17日、調査権限を30日間暫定的に延長することや調査団の構成や手法について国連事務総長の提言を求めることを盛り込んで日本が提出した新たな決議案の採決が行われましたが、ロシアが三たび拒否権を行使しました。


これで、調査団の権限は停止されることになり、化学兵器使用の全容の解明に支障が出るおそれが高まっています。


シリア問題を巡ってロシアが拒否権を行使したのは11回目で、米ロの対立が改めて浮き彫りとなりました。

ロシアが拒否権を行使したことについて、アメリカのヘイリー国連大使は議場で「ロシアは同盟国のシリアによる化学兵器の使用に光を当てるいかなることにも同意しないつもりだろう。なんと単純で、恥ずべきことか。ロシアの行動はシリアでの化学兵器攻撃の責任を確認するための努力を遅らせ、究極的には挫折させるものだ」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。


これに対して、調査団が被害の現場に赴いておらず疑わしい証言に基づいているなどとして調査の在り方を非難してきたロシアのネベンジャ国連大使は「調査団の権限の延長は根本的な欠陥が修正された場合にだけ可能だ。この件でロシアを責めようとするのはやめるべきだ」と反論し、米ロ両国が議場で激しく対立しました。