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ジンバブエムガベ大統領をめぐっては、浪費癖があるとして国民の間で不人気の41歳年下の妻を後継者に推そうとしたことなどに軍が反発してクーデターと見られる動きに踏み切り、ムガベ大統領は、自宅で軟禁状態に置かれてきました。


ムガベ氏があくまでも辞任を受けれようとしないなか、21日には、大統領の弾劾に向けた手続きが議会で始まりましたが、この審議の途中で、議会に宛てたムガベ氏の手紙が読み上げられました。


この中で、ムガベ氏は「私は円滑な権力の移行のため辞任する。この決定は自主的なものだ」として辞任したことを明らかにしました。


これによって1980年の独立以来、93歳となる現在まで国の実権を握り、独裁的な政治を続けてきたムガベ氏の長期政権が終わり、今後は軍や与野党の間で暫定政権の樹立に向けた協議が行われることになります。


ロイター通信などは、今月、ムガベ大統領に解任されたムナンガグワ前副大統領が暫定政権の大統領に就任するという見通しを伝えていて、ジンバブエ民主化が進むことになるのか、新たな政権の行方が注目されます。

ジンバブエムガベ大統領は、イギリス植民地時代の1924年生まれで、現在93歳、世界最高齢の大統領と言われています。


若い頃、イギリスからの独立運動に身を投じ、当時の白人政権に何度も逮捕され、10年間にわたって獄中生活を送りました。その後、反政府のゲリラ活動を展開、1980年にジンバブエが独立を果たすと、「独立の英雄」とたたえられ、首相に就任、その後大統領となりました。


ムガベ大統領は当初は、白人と黒人の人種間の融和を訴え欧米諸国からもリーダーとして高い評価を得ていました。しかし、次第に黒人を優遇する政策を進め、2000年には白人が所有する土地を強制的に収用して黒人の農民に再分配する土地改革を行いました。そうした政策は農業生産額の大幅な低下を招いたほか、金融政策にも失敗して、過度のインフレとなるなど、経済が破綻状態に陥りました。


また、みずからに批判的な野党勢力やメディアを弾圧するなどし、欧米諸国からは「強権的な独裁者」と批判され、経済制裁なども科されました。
これに対しムガベ大統領は、植民地主義だとして欧米諸国を激しく非難し、これがきっかけで中国との関係を強めることになりました。


最近は、体調不良だといわれ来年の大統領選挙を前にムガベ大統領の後継争いが激しくなっていました。

ムガベ大統領が辞任したことについて、ジンバブエ旧宗主国のイギリスのメイ首相は声明を出し、「ジンバブエが抑圧から解放され、新しい道を歩みだすきっかけとなる」と述べ、歓迎しました。
そのうえで、「人々は自由で公正な選挙で選ばれた政府のもとで、経済を再建することを望んでいる。イギリスはジンバブエの古い友人として明るい未来を築くためにあらゆる支援を行うつもりだ」と述べ、公正な選挙の実現にむけ支援を行う考えを示しました。

ムガベ大統領が辞任したことについて、アメリカのティラーソン国務長官は21日、声明を出し、「ジンバブエにとって歴史的な瞬間だ。われわれは平和的に声をあげたすべてのジンバブエの人々を祝福する」と述べ歓迎しました。


そのうえで、「われわれはすべての勢力に対し、自制を促し、憲法に基づいた、市民による秩序を尊重することを求め続ける」として、ジンバブエの政治指導者らに安定化につとめるよう呼びかけました。


また、国務省のナウアート報道官も記者会見で、「ジンバブエの人々にとって歴史的な瞬間だ」と歓迎したうえで「国の将来はジンバブエの人々によって決定されるべきであり、自由で公正な選挙が行われることを望む」と述べ、選挙によって、民主化がもたらされることに期待を示しました。


一方、記者から今回の事態について「アメリカとしてはクーデターとしてとらえているのか」と問われたのに対し、ナウアート報道官は「ジンバブエで起きたのは弾劾に向けた手続きであり、ムガベ氏みずからが最終決定をしたというのが事実だ」と述べ、クーデターにあたるかどうかは明言を避けました。