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 共同体感覚を高めることが幸福になる唯一の道である。そう考えると、自分の考えを捨てて、上司や会社などに迎合することが必要なのではないか、と誤解をする人がいます。そして「私には理不尽な上司がいます。彼に認めてもらうよう、間違ったことをやらなければならないのでしょうか」と言う質問をよく受けるのです。私は答えます。「そんな必要はありません。違うと思うことには違う、と答えて下さい」と。理不尽な上司や先生に異を唱えるのは決して共同体感覚に反することではないのです。


 先に学んだ通り、共同体とは会社や学校だけでなく、広く国や世界を含みます。そして、判断に迷ったときは、より大きな共同体を軸に考えればいい、とアドラーは言いました。先の例で言うならば、理不尽な上司や先生に認めてもらう必要などありません。そうではなく、世の中全体に認められるような自分になることです。よその会社から「引く手あまた」なあなたになればいいのです。もしも、あなたが異を唱えて会社や学校を追われてしまうようならば、はじめからそのようなところにいる必要はなかったのです。


 ただし、私たちは目的論で考えることを忘れてはなりません。もしかしたら、理不尽に思えるのは、あなたが会社や学校を辞めてしまいたい、という「目的」が先にあるからかもしれません。そこに気をつけた上で、冷静に共同体を判断していただきたいと思います。

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