JINSの「自分を知る」センサー付きメガネが見据える働き方改革 - ものつくるひと https://t.co/0uvBfzgUrv
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年12月8日
時計の針を巻き戻した2011年、ジンズ社長の田中仁は、ニンテンドーDSの「脳トレシリーズ」で有名な東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太を訪ねていた。メガネを単なる視力矯正の道具ではないものとして再定義したいと考えていたからだ。
「頭の良くなるメガネを作りたい」──。そう切り出した田中に、川島は思ってもみない角度から球を投げ返してきた。
「メガネの強みは、パンツの次に身に着けている時間が長いことだよね」。川島は、目の動きをメガネで検知することで、認知症予防に役立てることができないかと考えていたのだ。
これがジンズ・ミームの始まりだった。
当時、外資系コンサルティングファームで総合電機メーカーの新規事業戦略を描く仕事をしていた井上は、悩んでいた。3カ月や半年間、外部の人間が入って戦略を立てても、結局形にはならない。「自分の力でイノベーションを起こしたい」──。そんな思いが募り転職を決意した。
コンサルタント時代の経験から、井上は大企業でイノベーションを起こすことの難しさを身に染みて分かっていた。そんな井上に転職エージェントが勧めたのはIT系のベンチャー企業だった。ほぼ入社することが決まった段階で、ジンズの田中からエージェント経由で連絡が入った。「今日、18時半から空いているから来てくれ」。
オレはあんたの部下じゃないぞ、と思いつつも井上は田中を訪ねる。会って5分後には「うちに来い」と言われていた。田中は内定をもらっていた会社の社長をよく知っていた。「賢いヤツの下に賢いヤツが行っても伸びない。オレみたいなバカの下の方が自由にできるぞ」。この一言で井上は落ちた。
こうして井上は12年1月に入社後、社長室や商品企画部門を経てR&D室を立ち上げ、ジンズ・ミームの事業開発担当となった。