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 相手の失敗や未熟さに対して「違う、違う!」と間違いを指摘したり、「私がやるから、もういいよ!」と取り上げることは、勇気くじきの代表的な方法です。
 実際に相手のやっていることが未熟で間違っていたとしても、それを指摘した瞬間にそれは勇気くじきになってしまいます。指摘により、相手は自らの無能さと劣等性を思い知らされるからです。そして、問題を指摘した本人は、知らず知らずのうちに自分が優れた存在であることを相手に見せつけ、優越感を感じます。その結果、相手は勇気、すなわち困難を克服する活力を失ってしまうのです。
 相手ができないのは、現段階ではまだ能力が不足しているからです。しかし、能力不足と相手の価値とは何の関係もありません。できないからといって、あたかも相手が自らの価値を否定されたと感じるような言葉を使うことは避けなければなりません。また、能力不足もあくまでも現段階のものであり、将来できるようになる可能性は十分にあります。しかし、相手の勇気をくじくことは、相手がその可能性にチャレンジしようとする活力に冷や水を浴びせることに等しいのです。
 私たちはついつい意識しないままに勇気くじきをしてしまいがちです。しかし、勇気づける前に、まず勇気くじきをなくすことが重要です。それが勇気づけになるのです。