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 “鬼の特捜”が復活したのか。東京地検特捜部の動きが活発だ。スパコン詐欺事件で華麗なる政界人脈を誇るベンチャー社長を逮捕。「この事件を端緒に政治家を巻き込んだ汚職事件に発展するのではないか」との見方もある中、今度はリニア工事の不正入札容疑で、スーパーゼネコン大林組強制捜査のメスを入れた。どちらの事件にも“アベ友”の顔がちらつく。

 入札妨害の舞台となったリニア中央新幹線工事は、JR東海の巨大プロジェクト。同社のトップ、葛西敬之代表取締役名誉会長は、安倍首相にとって有力な財界応援団のひとりである。


「葛西氏は第1次政権時代、安倍首相の肝いりで設置された教育再生会議の委員を務めたほか、富士フイルム古森重隆会長らと中心になって、財界の保守派の集まり『四季の会』を結成。安倍首相が前回、政権を投げ出した後も励まし続け、再登板を働きかけてきました。第2次安倍政権の発足以降は、首相と定期的に会食やゴルフを楽しむ間柄です」(官邸事情通)


 経産省所管の国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金約4億9900万円をだまし取ったとして、特捜部に逮捕された斉藤元章容疑者も“アベ友”と深い仲だ。2016年3月には安倍と親しい元TBS記者の山口敬之氏と人工知能の研究財団を設立。朝日新聞の報道によると、山口氏が事務所を構えた29階建ての高級賃貸レジデンスの家賃も負担していたという。レジデンスの平均家賃は130万円というから太っ腹だ。何らかの見返りを求めていたのだろうか。


 特捜部の調べなどで、助成金を受けた「ペジーコンピューティング」が設立1年目からNEDOの助成対象になったほか、斉藤容疑者が役員を務める複数の会社も、NEDO文科省所管の別の国立研究開発法人から助成金を受けていたことが判明した。


 国の破格な厚遇ぶりのウラに何があるのか。特捜部は斉藤容疑者が多額の資金を得られた経緯を調べているが、それにしても特捜部はアベ友の周辺を嗅ぎ回ってきたようにも見える。

 今年9月に着任した森本宏特捜部長は、検察内で「エース中のエース」と呼ばれる逸材だ。森本氏と静岡地検時代に同僚だった元検事の落合洋司弁護士はこう言う。


「私と同期だった前々任の斎藤隆博氏や前任の吉田安志氏は、慎重に捜査を検討するタイプの検事でしたが、森本氏は明らかに積極派。『まず捜査に動け』がモットーで、走りながら考える検事です」


 10年の大阪地検特捜部の証拠改竄事件以降、東京地検特捜部は現職の国会議員を立件できていない。アベ友周辺の狙い撃ちは、「最強の捜査機関」の復権をかけた安倍1強体制への挑戦なのか。


「意図的な狙い撃ちではなく、巨額の利権が動いている場所を注視していたら、安倍首相の知人らを利用する人物が芋づる式に引っかかっただけでしょう。利権に群がる面々が権力の中枢に集まるのは必然ともいえます。特捜部がチマチマした案件を手掛けても仕方がない。確実に“バッジ”を取りにいくため、アベ友案件の捜査に踏み切ったのだと思います」(落合洋司氏)