われわれは、お客さんと競合するものはやらないというのが一貫した方針です。だから、EVやロボットメーカーには絶対になりません。 - 日本電産の成長はEV・ロボット・ドローンの3分野が牽引する【永守会長に聞く(1)】 https://t.co/58rb6jRlsk
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年12月26日
私はもともとね、モーターが将来の基幹産業になるだろうと、そういういう気持ちで1973年に創業したんです。
振り返ると、80年に入るまでは鉄が産業のコメでした。すべては鉄が中心で、建物でも橋でも何を作るのにも鉄が必要だった時代です。そして80年以降は半導体が産業のコメに代わり、ありとあらゆる電気製品に半導体が入るようになったわけです。
そして今から将来に向けて、モーターが産業のコメになるでしょう。それが長年私が考えてきたマーケットの見方なのです。
実際ここへきて、電気自動車(EV)、ロボット、ドローン、それから人工知能(AI)を使った家電製品、もちろんスマートフォンも含めて、ありとあらゆるものにモーターが入り始めています。
今から未来を見たとき、何かを動かす頭脳はAIになり、そのハードはモーターが中心になるでしょう。創業して45年。当初からずっと考えてきた大きな波がやっとやってきたと感じています。
ガソリン車を動かすには油圧装置が駆動の役割を果たしますが、エンジンがなくなれば、それはモーターに代わります。自動運転化すればハンドルはモーターが回すし、ブレーキもモーターが掛けるということで、注文がどんどん増えていくことになるわけですよ。
日本電産がクルマ関係のモーターに参入したのは1995年ですが、当時からEV化をにらんでいました。ガソリン車がいつまでも続くと思っていたら、モーターが使われるのはワイパーくらいしか見込めないし、世界各国のモーターメーカーとの価格競争で儲からないので参入しなかったでしょうね。
EVは1年くらい前から風が吹き始めて、その風がビュービュー強くなってきたのは最近です。
まず、滋賀県の開発センターを訪れてくれるお客さんの数が圧倒的に多くなり、昨年より1ケタ違う。もちろん、クルマは開発期間に数年かかるので、こうしたお客の訪問が実際の注文になって数字に計上されるには少しタイムラグがありますが、20年以降に向けて、加速度的に成長することになると思います。
――ガソリン車のパワステから入って、EVの駆動用モーターはEVの本丸になりますね。
そう。実はこのモーターは17年9月に発表したものですが、研究はとっくに終わっていたんですよ。でも、EVにならないうちに、いくら駆動用モーターができたと発表しても仕方ないですからね。
だから、まずは油圧装置の電動化から始めて、EV化で最後に来る「波」として、このトラクションモーターを製品化するタイミングをずっと待っていた。そうやって、熟成させた製品です。EVの本命のモーターは、2019年から量産しますが、そこから加速して増えていくと思いますね。