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トランプ大統領20日ツイッターに、19歳と32歳の2人の元兵士の名前を書き込んだうえで、「2人は米朝首脳会談の結果、北朝鮮から返還された遺骨のうち最初に確認されたアメリカ兵だ」と投稿して、ことし6月の米朝首脳会談を受けて7月に返還された朝鮮戦争で亡くなったアメリカ兵55人分の遺骨のうち2人の身元が確認されたことを明らかにしました。

そのうえで、「英雄たちは家に戻っており、安らかに眠るだろう。家族がこの問題に終止符を打つことができることを望む」と書き込み、遺骨を取り戻した意義を強調しました。11月に中間選挙をひかえるトランプ大統領としては、非核化に向けた交渉が難航していると批判されるなか、みずからの成果をアピールする狙いがあるものとみられます。

南北首脳会談の共同宣言で北朝鮮側は、トンチャンリ(東倉里)にあるミサイル実験場などを関係国の専門家の立ち会いのもとで廃棄するほか、アメリカが相応の措置を取れば、ニョンビョン(寧辺)にある核施設を閉鎖する用意があると表明しました。

これについて、アメリ国務省のナウアート報道官は20日の定例会見で、「両首脳はIAEAアメリカの査察官がすべてに立ち会うという認識を共有した」と述べ、トンチャンリのミサイル実験場だけでなく、ニョンビョンの核施設についてもアメリカの査察官が立ち会うことになると強調しました。

さらにナウアート報道官は、「アメリカも北朝鮮と協議し、査察官の立ち会いはお互いが理解している」と述べ、米朝間のこれまでの協議でも北朝鮮側が、アメリカによる査察の受け入れに理解を示していると明らかにしました。

一方、核施設の閉鎖に関して、北朝鮮が何らかの見返りを求めているのではないかという見方に対して、ナウアート報道官は、「非核化が先行しなければならない」と改めて強調しました。

北朝鮮朝鮮労働党機関紙、「労働新聞」は、21日付けの紙面で1面から4面にわたって、南北首脳会談の結果や、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長とムン・ジェイン大統領が20日、「民族の聖地」とされるペクトゥ(白頭)山にそろって登ったことなどを35枚の写真とともに伝えました。

この中で、ムン大統領の訪朝や、南北首脳会談の結果について、「北と南が手を取り合ってもたらした貴重な成果をさらに強固にした。互いの関係を新たな平和の軌道、和解と協力の軌道へと加速度的に発展させ、統一への全盛期を開いていく画期的な転換点になった」と伝え、成果を強調しました。

また、両首脳がペクトゥ山の山頂で、カルデラ湖を背景に、手をつないで頭の上に高く上げる写真を1面で大きく伝え、「民族の象徴に登り、平和と繁栄の新時代に明確な足跡を残したことは、民族の歴史に特記すべき出来事だ」として、民族の一体感を演出しています。

国連によりますと20日北朝鮮のキム・ソン(金星)国連大使が国連本部を訪れてグテーレス事務総長に本国からの信任状を提出して正式に着任しました。

信任状を手渡されたグテーレス事務総長が、「とても重要な役割を担われることになる。期待している」と話すと、キム大使は、「皆さんと仕事ができることを楽しみにしている」と応じました。

キム大使の詳しい経歴はわかっていませんが、ことし7月に帰国したチャ・ソンナム前国連大使のもとで参事官として勤務した経験があります。

キム大使をめぐっては、アメリカ政府によるビザの発給に時間がかかり、国連大使としての着任が予定より1か月以上遅れましたが、アメリカ政府は「個人のことは話さない」として理由を明らかにしませんでした。

国連では来週、193の加盟国の首脳や閣僚らが参加する国連総会の一般討論演説やさまざまな国際会議が始まることから、リ・ヨンホ外相とともに、キム国連大使北朝鮮の立場についてどのような発言をするのか注目されます。