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電力の小売り事業に参入する方針を固めたのは、京都市下京区に本社がある「TERAEnergy」です。

関係者によりますと、この会社は京都の西本願寺の僧侶が中心となってことし6月に設立したもので、過疎化などで檀家が減り寺の経営が厳しくなる中、電力の小売り事業に参入し新たな収入源を確保する狙いがあります。

中国地方には、広島県山口県を中心に3000余りの西本願寺派の寺があり、全国的にも多いことから、檀家のネットワークを活用し中国地方5県で、来年4月から家庭向けに電力を販売するということです。

この会社では、太陽光やバイオマス発電などの電力を供給する、福岡県みやま市の電力会社「みやまスマートエネルギー」から電力を調達する予定で、再生可能エネルギーの普及も促したいとしています。

料金は、中国電力より2%ほど安くする方針で、初年度は一般家庭4000戸の顧客獲得を目標にし、事業が軌道に乗れば、太陽光発電などをみずから行うことも検討しています。

電力の小売りの全面自由化で、新規に参入したいわゆる「新電力」と既存の電力会社が販売競争を繰り広げていますが、寺の関係者が売電事業に乗り出すことで競争が激しくなりそうです。

僧侶たちが電力事業に乗り出す背景には、寺の経営が年々、厳しくなっている実情があります。

寺院の関係者によりますと、人口減少や過疎化、それに住民の都心回帰などライフスタイルの変化で、寺の経営を支えてきた檀家が年々、減少し、収入が減っています。

このため老朽化した本堂を修復できなかったり、後継者が見つからなくて存続が危ぶまれたりするなど、経営が深刻化している寺院も少なくないということです。

僧侶たちが設立する会社では、中国地方の西本願寺派の寺に対し、檀家や地域の住民に自社の電力を使ってもらえるよう「営業活動」を依頼することにしています。

そして、それぞれの寺が獲得した契約件数や各家庭の消費電力に応じて、この会社が寺に報酬を支払い、寺の経営資金として活用してもらうことで、寺の維持に役立ててもらう狙いがあります。

この事業には、ほかの宗派の寺の関係者も関心を示していて、「TERAEnergy」では事業が軌道に乗れば、宗派を超えて多くの寺に参加を呼びかけるほか、中国地方以外の地域への進出も検討しているということです。