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 最大規模の漢和辞典として知られる「大漢和辞典」(大修館書店)のデジタル版が11月28日に発売される。

大修館書店の依頼を受け、漢学者の諸橋轍次が編さんを始めたのは1927年。親字・熟語の収集や組版作業などを経て43年に第1巻の発行にこぎ着けたものの、45年、空襲により全巻の原版が消失してしまう。それでも、諸橋が保管していた校正刷をもとに復刊に取り組み、55年から60年にかけて初版全13巻が刊行された。

 その後、80年代に修訂版を、90年には「語彙索引」、2000年に「補巻」が刊行され全15巻が完結した。同社によると、刊行に携わった人数は26万人。まさに〝大事業〟だった。

 そして、11月に発売されるデジタル版。大漢和辞典に収録されている全ての親字が様々な方法で検索でき、本文内容はページビューアで表示される。本体はUSBメモリで、データをパソコンにインストールするので、オフラインでも使えるという。

 山口さんによると、潮目が変わったのはここ数年のこと。大修館書店は2018年に創業100周年を迎える。節目が近づくなか、デジタル化を実現させようという機運が社内で高まっていったという。特別態勢を設け漢字のデータ入力を進める一方、製品にどのような機能を持たせるか(持たせないか)について議論を交わしていった。

 議論のなかでは、利便性を考え幅広い機能を持たせる意見も持ち上がった。ただ、完璧を求めるとコストがかさむ上に製品化が遅れる恐れがあったため、「創業100周年になんとしても完成させる」という方向性で一致。その結果、熟語の検索や検索結果の本文を「コピペ」できる機能は見送られたものの、その分、親字を早く引くための機能を充実させることに集中して取り組み、ページビューアの見やすさにも力を入れたという。

 また、懸案だった「フォント」の問題については、収録されている親字一つ一つをスキャンし画像データとして表示することで解決させた。

 価格は19年3月末まで税抜き10万円(通常は同13万円)。

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