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会期を1日延長して交渉を続けてきた「COP24」で、日本時間の16日午前6時前、現地時間の15日午後10時前、2020年以降の温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を実施するために必要なルールが全会一致で採択されました。

ルールでは、原則として途上国を含むすべての国が、温室効果ガス削減の実施状況を国連に詳しく報告し、最初の報告は、2024年末までに行うとしていて、先進国側の主張を反映した形になっています。

また、どの程度の資金支援を途上国に行う予定か可能な範囲で、2年に1度、国連に報告することを先進国に義務づけました。

支援を確実に引き出したい途上国側に配慮したものとみられます。

一方で、ルール作りとは別に、今回の会議の焦点となっていた各国の温室効果ガスの削減目標の引き上げについては、島しょ国などが、義務化するよう強く求めましたが見送られ、今後の課題となっています。

ルールが採択されたことで、2020年からパリ協定のもと途上国を含むすべての国が協調して温暖化対策を進める仕組みが動きだします。

世界各地で異常気象が相次ぎ、対策が急がれるなか、今後は、各国が取り組みを加速させられるかが問われることになります。

「COP24」で、パリ協定に実効性を持たせるためのルールは採択されましたが、地球温暖化を食い止めるうえでは、課題が残されています。

「パリ協定」は、先進国だけに温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書とは異なり、発展途上国を含むすべての国が削減に取り組むことを定めた枠組みです。

しかし、去年6月、中国に次ぐ世界第2位の温室効果ガスの排出国アメリカのトランプ大統領は、「パリ協定」から脱退する方針を表明しました。

アメリカは、今回の交渉でも脱退の方針に変わりはないことを強調しました。

アメリカの脱退は、規定により、早くても再来年11月4日以降ですが、アメリカが抜ければ「パリ協定」の実効性を欠くことになるだけでなく、追随して、温暖化対策に後ろ向きな国が増えることも懸念されています。

「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力をするという目標を掲げています。

この目標の達成に向けて、世界全体の取り組みがどれだけ進んでいるか、5年ごとに検討するとしていて、各国は、その結果をもとに、削減目標を見直すことが期待されています。

「COP24」に先立って、国連の専門機関、IPCC=「気候変動に関する政府間パネルは、ことし10月、報告書を公表し、各国が掲げている削減目標では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5度に抑えることができず、温暖化の深刻な影響を防げないとして、世界全体で取り組みを加速させることが必要だと指摘しました。

これを受けて、今回の「COP24」で、各国に削減目標の引き上げを促すような決定が行われるか、注目されていました。

会議のなかで、海面上昇など温暖化の影響を受けやすい島しょ国などは、削減目標の引き上げを義務づけるよう強く求めましたが、先進国や一部の途上国は消極的な姿勢を示し、義務づけは見送られました。

気温の上昇を抑えるためには、目標の引き上げが欠かせないとされていて、各国にどう促していくかが今後の課題です。

「パリ協定」のルールが採択されたことを受けて、インド洋の島国、モルディブの交渉官は、NHKの取材に対し、「とてもうれしく興奮している。各国のリーダーは、私たちを温暖化の被害から助けてくれるだろう」と話しました。

そのうえで、「世界の平均気温の上昇が、産業革命前より1.5度を超えないように、ともに取り組まなければならない。そうすることで地球の破滅を防ぐことができると思う」と訴えました。

また、イランの交渉官は「自分たちの主張がすべて入ったルールにはならなかったが、とてもバランスがとれたルールで、すべての国が納得して合意できた。地球温暖化対策を進める正しい道に、各国を導いてくれると思う」と話していました。