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EUは20日、ことし最後の加盟国の閣僚会議を開き、EPAを正式に承認しました。

日本側は今月8日、参議院本会議で国会承認を求める議案が可決・承認されていて、双方の承認手続きがすべて完了したことで、EPAは来年2月1日に発効することになります。

日本とEUのEPAは日本側がおよそ94%、EU側がおよそ99%の品目で関税を撤廃するほか、投資やサービスなど幅広い分野で自由化を進めるものです。

これによりGDP=国内総生産で世界のおよそ3割、貿易額ではおよそ4割を占める巨大な自由貿易圏が誕生することになります。

EUのトゥスク大統領は12日、ツイッターに日本語で「今までで最大の貿易協定が実現します!われわれの関係はこれまでにないほど強固なものになります」と投稿し、祝意を示していました。

EUはEPAによって日本への輸出が34%増えてEU全体のGDPを0.76%押し上げるという試算を示していて、雇用の拡大にもつながると期待しています。

またアメリカのトランプ政権が保護主義的な姿勢を強める中、自由貿易を推進する姿勢をアピールしていくものとみられます。

来年2月に発効が決まった日EU・EPAは世界でも最大規模の経済連携協定です。日本とEUを合わせた域内の人口は6億4000万人、世界のGDP=国内総生産の28%、輸出と輸入をあわせた貿易額では37%を占めます。

協定では日本側が農林水産品など94%の品目で、EU側は99%の品目で関税を撤廃するほか、投資やサービス、政府による調達のルールなど幅広い分野で自由化を進めます。

政府は、協定が発効することで双方の貿易が拡大し、日本の実質GDPをおよそ1%押し上げ、雇用がおよそ29万人増えるという試算を出しています。

日本としては、今月30日のTPP=環太平洋パートナーシップ協定の発効に続き、保護主義的な政策を進めるアメリカなどに対し、自由貿易の重要性を示したい考えです。

日本とEUのEPAでは、日本が輸入する農林水産品など94%の品目で関税を撤廃します。

このうち、「ワイン」は一般的な750ミリリットル入りのボトル分にかけている最大およそ94円の関税を、「スパークリングワイン」も750ミリリットル入りのボトル分で最大およそ137円の関税を発効後すぐに撤廃します。

チーズではカマンベールといった「ソフトチーズ」などで最大3万1000トンの輸入枠を新たに設けます。そして、その枠の中での関税を年々減らしていき、発効して15年後の2034年に撤廃します。

「バター」や「脱脂粉乳」は、原料の生乳に換算して、最大1万5000トンまでの枠を新たに設け、関税を引き下げます。このほか、「パスタ」に現在かけている1キロ当たり30円の関税や、「チョコレート菓子」にかけている10%の関税も発効して10年後の2029年に撤廃します。

一方、日本からEUに輸出される品目では99%で関税が撤廃されます。このうち「乗用車」は現在の10%の関税が協定が発効して7年後の2026年に撤廃されるほか、「自動車部品」はエンジン関連部品やタイヤなど貿易額ベースで92.1%の品目の関税が発効後すぐに撤廃されます。

日本が主力とする自動車産業にとっては、5億人の人口を誇る大きなEU市場への輸出を拡大するチャンスとなります。

イギリスでは、EUから離脱する際の条件を定めた「離脱協定案」をめぐり、必要な議会での採決を見送るなど、離脱への道筋は依然として見えていません。

こうした中、来年3月に関税や税関手続きなどの取り決めがないまま離脱する「合意なき離脱」が行われるのではないかという懸念が高まっています。

仮に「合意なき離脱」が行われた場合には、日EU・EPAでいったん関税が撤廃されたり削減されたりした農林水産品などの税率が再び上がる可能性もあります。

また、新たな税関の手続きが発生するなど、混乱が起きることも想定されます。

このため日本政府は、イギリスとEU双方に「合意なき離脱」を回避するよう引き続き求めるとともに、企業に対して合意なき離脱の場合に備えるよう呼びかけています。