斜陽の大型モール、打開策は「モール」外し? https://t.co/3uY5ttrmjb
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2018年1月14日
米国ではショッピングセンターの経営者らが施設の入り口や フェイスブック の公式サイト、そして企業の資料などからモールの文字を消し始めている。不動産コンサルティング企業JLL によれば、2014年以降に改装された90の大型モールのうち、17施設は名称からモールが外された。
オハイオ州パーマにあるパーマタウン・モールは今、ザ・ショップス・アット・パーマだ。同じくペンシルベニア州メディアのグラニット・ラン・モールは、プロムナード・アット・グラニット・ランに変わった。マサチューセッツ州ハノーバーのハノーバー・モールも、ハノーバー・クロッシングに生まれ変わっている。
これら施設の所有者たちは、敷地内に緑を増やして屋根も撤去し、新たな物件として再構築したため、名称の変更は自然な流れだったと話す。改装されたモールは窓のない四角い店舗のまわりに長方形の駐車場がある過去のものとは違い、ジムやオフィス、レストラン、そしてアパートやホテルが敷地内に建設されている。
バージニア州のボールストン・スクエアにもモールの定番チェーンである百貨店メイシーズがテナントとして入るが、アパートやイベント会場も建設されることになっている。
ボールストン・スクエアの所有企業フォレスト・シティーで開発部門のシニア・バイスプレジデントを務めるウィル・ボーゲル氏は、今の施設はショッピングだけでなくさまざまな体験やエンターテインメントを提供すると指摘。モールという言葉ではその性格を十分に表せないと話す。ボールストン・スクエアが目指すのはニューオーリンズのフレンチクオーター地区のようなポジティブな雰囲気だという。
ティーンエイジャーが放課後にフードコートでたむろするような時代が終わった今、モールのマーケティングをすることは容易ではない。国内ではモール開発は1970年代にピークを迎え、その後は右肩下がりの状況が続く。
不動産コンサルタント企業トランスウエスタン・コマーシャル・サービシズで小売り部門のマネジング・ディレクターを務めるニック・ヘルナンデス氏は、「『モール』という言葉自体にどこか70年代の響きがある」と話す。