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トランプ大統領は現地時間の30日夜、日本時間の31日午前11時すぎからアメリカ議会の本会議場で上下両院の議員などを前に政権2年目の施政方針を示す一般教書演説を行っています。
この中でトランプ大統領は「われわれは安全で、強く、誇りを持てるアメリカをつくる。新たなアメリカの時代の到来だ」と強調しました。
そして法人税の大幅な減税を盛り込んだ税制改革などを就任後1年間の成果として訴えました。


そのうえで「アメリカは、何十年もの間、雇用を奪ってきた不公正な通商政策をついに転換した」と述べ、中国などを念頭に公正な貿易を実現する考えを示しました。


さらに「安全で信頼できる近代的なインフラを整備するよう与野党に求める」と述べ、官民合わせて10年間で1兆ドルとしていたインフラ投資について、1兆5000億ドル、日本円にして160兆円余りに上積みして実現を目指すとして協力を呼びかけました。


また移民政策について、子どもの時に不法入国した若者らを救済する一方、メキシコとの国境沿いに壁を建設する予算を認めるよう与野党に求めました。


安全保障面では、過激派組織IS=イスラミックステート対策の成果を訴えるとともに、壊滅に向けて取り組み続ける方針を強調することにしています。
そして「歴代の政権の過ちは繰り返さない」と述べ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に最大限の圧力をかけていく方針を示す見通しです。


トランプ大統領としてはことし11月に政権への審判が下される議会の中間選挙が控えていることから、政権の実績や公約の実現を目指す姿勢をアピールしたい考えと見られます。


アメリカのトランプ大統領は政権2年目の施政方針を示す一般教書演説で、テロ組織と関係があるとされる外国人を拘束してきた、キューバにあるグアンタナモ収容所について「たったいまマティス国防長官に、グアンタナモの収容所の使用を続けることを指示する大統領令に署名した」と述べ、閉鎖の考えはないと強調し、収容所の閉鎖を目指したオバマ前政権との違いを鮮明にしました。


アメリカのトランプ大統領は30日、アメリカ議会で上下両院の議員などを前に政権2年目の施政方針を示す一般教書演説を行いました。
この中でトランプ大統領は、法人税の大幅な減税を盛り込んだ税制改革や雇用の拡大などを成果として強調するとともに、官民合わせて10年間で日本円にして160兆円に上るインフラ投資の実現を目指すとして与野党に協力を呼びかけました。


一方、外交・安全保障面では、中国とロシアをアメリカの国益に挑む競合勢力だと名指ししたうえで「比類なき力が最も確実な防衛の手段だ」と述べて、核戦力の強化に取り組む方針を示しました。


また北朝鮮について異例とも言えるほど多くの時間をさき「これほど市民を抑圧してきた残虐な独裁体制はほかにない」と述べ、会場に招待した脱北者の男性などの体験を紹介して人道上の問題を強調し、北朝鮮の体制を強く非難しました。
さらに「北朝鮮の核ミサイルは近いうちにアメリカ本土に脅威を与える可能性がある」として、アメリカ本土に到達するICBM大陸間弾道ミサイルの完成が近づいているという認識を示し、これを食い止めるために北朝鮮に最大限の圧力をかけ続けると述べました。


トランプ大統領としては、ことし11月に政権への審判が下される議会の中間選挙を控える中、税制改革など内政面での成果を訴えるとともに、国民の関心が高まっている北朝鮮の核ミサイルの脅威や人道上の問題を強調して非難し、北朝鮮への対応に重点的に取り組む姿勢を示した形です。

一般教書演説でトランプ大統領は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応について多くの時間を割き、「これほど市民を抑圧してきた残虐な独裁体制はほかにはない」と非難しました。


そのうえで「北朝鮮の核ミサイルは、近いうちにアメリカ本土に脅威を与える可能性がある。それを食い止めるため、最大限の圧力をかける取り組みを遂行している。私は、過去の政権の過ちは繰り返さない」と述べ、引き続き、北朝鮮に最大限の圧力をかけていく方針を示しました。


さらに「北朝鮮の政権の邪悪な性質に目を向けるべきだ」と強調して、北朝鮮に1年以上拘束された後、去年6月、脳に重い障害を負って帰国し死亡した、アメリカ人大学生、オットー・ワームビアさんの両親を紹介しました。
アメリカでは、ワームビアさんが長期にわたり拘束され死に至ったことを巡り、北朝鮮への反発が強く、本会議場で涙を流しながらトランプ大統領の演説を見守るワームビアさんの両親には、温かい拍手が何度も送られていました。
そして、トランプ大統領は「あなたたちは、北朝鮮の凶悪さを目の当たりにした証人だ。あなたたちの勇気が、われわれを鼓舞してくれる。息子さんの記憶をアメリカの決意とともに刻むことを誓う」と述べ、北朝鮮に厳しく臨む姿勢を強調しました。


本会議場にはもうひとりの特別ゲストとして、北朝鮮から逃れてきた脱北者の男性、チ・ソンホさんも招かれ注目されました。

CNNテレビは、演説後に行った世論調査では「演説はとてもよかった」が48%、「まあまあよかった」が22%と好意的な意見が多く、「よくなかった」は29%だったと伝えました。
そのうえで「演説はとてもよかった」とした48%という数字は、2010年のオバマ前大統領や2006年のブッシュ元大統領と同じ結果だったとしています。

中国外務省の華春瑩報道官はきょうの記者会見で、アメリカのトランプ大統領が一般教書演説で中国とロシアをアメリカの国益に挑む競合勢力だと名指ししたことについて「アメリカには冷戦時代の時代遅れの思考を捨て去り、中国とアメリカの関係を正確にとらえるよう望む」と述べてけん制しました。
そのうえで、華報道官は「アメリカが中国と歩み寄り、互いに尊重し合って協力に目を向け、立場の違いはコントロールして関係を安定的に発展させるよう望む」と呼びかけました。


一方、TPP=環太平洋パートナーシップ協定についてトランプ大統領は、先週スイスで開かれたダボス会議で、再交渉を前提に復帰する可能性について言及していましたが、一般教書演説では触れませんでした。

外交・安全保障政策をめぐって「われわれはならず者国家、テロリスト集団、そして、われわれの国益や経済、価値に挑む中国やロシアといったライバルに直面している」と述べて、中国とロシアを名指ししてアメリカの競合勢力だと指摘しました。
そのうえで「これらの危機に立ち向かっていく中で弱さが紛争へとつながり、比類なき力が最も確実な防衛の手段となることをわれわれは知っている」として、軍事力の強化に取り組む姿勢を強調しました。
中でも「核戦力を近代化し再建しなければならない」と述べて、老朽化が進むアメリカの核戦力の近代化を促進し強化していく必要があると主張しました。

最優先課題の1つに掲げてきた過激派組織IS=イスラミックステートへの対策について「1年がたってイラクやシリアなどでISが支配してきた地域の100%近く解放したことを報告できることを誇りに思う」と成果を訴えたうえで、壊滅に向けた対策を続ける方針を強調しました。


そしてISの指導者、バグダディ容疑者がかつてイラクアメリカ軍が運営していた収容所に一時拘束されていたことを念頭に「われわれは過去にバグダディを含む多くの危険なテロリストを愚かにも釈放してきた」と述べました。
そのうえで、テロ組織と関係があるとされる外国人を拘束してきたキューバにあるアメリカ軍のグアンタナモ収容所について「たった今、マティス国防長官に、グアンタナモの収容所の使用を続けることを指示する大統領令に署名した」と述べ、閉鎖の考えはないと強調し、収容所の閉鎖を目指したオバマ前政権との違いを鮮明にしました。

演説では、12月、中東のエルサレムイスラエルの首都と認めたことにも言及し、会場では拍手して歓迎する人の姿が多く見られました。
そのうえで、先月、国連総会でエルサレムの地位の変更は無効だとする決議が賛成多数で採択されたことに言及し「賛成した国の中には多額の援助がアメリカ国民の税金から送られているが、援助はアメリカの敵には送るべきではない」として、みずからの決定に反対した国々に対し援助の停止をちらつかせてけん制しました。

イランで一時広がった反政府デモについて「イランの人々が汚職にまみれた独裁による犯罪に対して立ち上がったとき、私は黙っていなかった」と述べ反政府デモを支持する考えを強調しました。
さらに「議会にはひどいイラン核合意の根本的な欠陥に取り組んでほしい」と述べ、オバマ前政権がヨーロッパなどの国とともに結んだ核合意を非難し、イランに敵対する姿勢を改めて示しました。

移民政策について「何十年もの間、麻薬やギャングがわれわれのぜい弱な地域社会に入り込むのを許してきた」と指摘し、不法移民対策を強化する必要性を訴えました。
そして、メキシコなどから子どもの時に親に連れられてアメリカに不法入国した若者らおよそ180万人については強制送還せずに救済し市民権を付与する一方で、メキシコとの国境沿いに壁を建設するほか、希望者が抽選でビザを取得できるプログラムは廃止すべきだとして、与野党に必要な法案を可決するよう求めました。

アメリカで本来は鎮痛剤として使われる「オピオイド」と呼ばれる薬物を乱用して中毒となる人が後を絶たないことから、対策に取り組む考えを示しました。


一方、オバマ前政権が導入した医療保険制度、いわゆるオバマケアについては、税制改革に併せて一部見直し、個人の保険加入の義務を廃止したと訴え、みずからの成果として強調しました。


ケネディ下院議員は、ケネディ元大統領の弟、ロバート・ケネディ元司法長官の孫で、37才の民主党若手のホープです。


演説でケネディ議員はトランプ大統領がみずからの成果と主張したアメリカ経済について「株価は高値を更新し、企業の利益は上昇しているが、一方で労働者はその恩恵を受けていない」と指摘しました。


また「ロシアがわれわれの民主主義に介入している。環境保護については全面戦争だ。さらに、憎悪と白人至上主義がまかり通っている」と述べ、トランプ政権下での風潮を批判しました。


さらにケネディ議員は、スペイン語も交えて移民政策に寛容な立場を説明したほか「民主党は一方の人たちだけでなく全員のために闘う」と述べて、国の分断を一層深めていると言われるトランプ政権との違いをアピールしました。


黒いスーツと黒いネクタイを身に着けた男性議員と、黒のワンピースや上着を着用した女性議員の数はおよそ90人に上り、民主党議員が着席した周辺は全体が黒っぽい雰囲気に包まれました。
さらに一部の民主党議員は、黒い服に加えてアフリカの生地を使った布もまとい、ホワイトハウスの会議で人種差別的な発言を行ったと伝えられるトランプ大統領に抗議しました。


民主党の下院トップ、ペロシ院内総務は声明で「セクハラや差別に対する戦いは重要な分岐点にさしかかっている。戦いを続け、抜本的な変化を勝ち取らなければならない」としています。


一方、共和党の女性議員の中には鮮やかな赤や青の色の服を着て出席した議員も多く、与野党議員の洋服の色もアメリカの分断を象徴する一般教書演説となりました。