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北朝鮮の「サムジヨン(三池淵)管弦楽団」の140人余りで構成される芸術団は、ピョンチャンオリンピックの開幕に合わせて、今月6日から韓国に派遣されていましたが、12日正午前、陸路で北朝鮮に戻りました。


芸術団は今月8日にスケート競技などの会場である東部のカンヌン(江陵)で、また11日夜は首都ソウルでそれぞれ公演を行い、北朝鮮の歌に加えて、韓国の往年のヒット曲などを演奏し、「南北は同じ民族だ」というメッセージを強調しました。


とりわけ11日夜の公演では、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が夫人とともに鑑賞に訪れ、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏が隣に座って言葉を交わしながら拍手を送りました。


さらには、韓国の女性アイドルグループ「少女時代」のメンバーが舞台に上がって、統一を願う歌を一緒に歌うなど南北の融和ムードを強く印象づけました。


ただ、保守派の市民団体からは「芸術団は北の体制の宣伝にすぎず、ムン政権は厚遇しすぎだ」と反発する声も出ていて、11日もソウルで抗議集会が開かれ参加者が北朝鮮の国旗を燃やそうとしました。


一方、北朝鮮は、芸術団の一行を貨客船マンギョンボン(万景峰)92号に乗せて派遣した際、韓国側に対し燃料を提供するよう求めました。
これを受けて、国連安全保障理事会の制裁決議に違反しないか韓国政府が検討していたところ、北朝鮮は一転して要求を取り下げ、マンギョンボン92号は10日に北朝鮮に戻りました。


これは、10日夜に行われたアイスホッケー女子、南北合同チーム対スイスの試合会場で、北朝鮮の女性応援団およそ200人が、一斉に若い男性のお面を顔の前に掲げ、体を揺らしながら合同チームを応援したもので、その独特な応援スタイルを見た韓国人の間で強い違和感が広がりました。


さらに、韓国の野党や一部のメディアからは、お面に描かれた男性について、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の祖父、「キム・イルソン主席の若いころに似ている」という指摘が出ています。


これについて韓国統一省は11日、「お面の男性はキム主席ではない。北の一般的な美男子のイメージだと見られる」とする見解を発表しましたが、「北の体制の宣伝ではないか」と物議を醸しています。


北朝鮮は、ピョンチャンオリンピックに合わせて女性応援団や芸術団を韓国に派遣し、盛んに「南北は同じ民族だ」と強調して融和ムードを高めようとしていますが、今回のお面を使った応援は、かえって韓国の人たちの間で、「北朝鮮は異質だ」という印象を強める結果になったようです。


中国外務省の耿爽報道官は、12日の記者会見で、ピョンチャンオリンピックをきっかけに北朝鮮と韓国の融和ムードが高まっていることについて「関係を改善して和解と協力を進めることは双方の利益に合致し地域の平和と発展の促進にも有益だ」と述べて、歓迎する考えを示しました。


そのうえで、「各国がともに努力してオリンピック期間中の対話を通常の途切れのない対話につなげるよう望む」として、今後、北朝鮮アメリカなどとの対話が実現することにも期待を示しました。


また、耿報道官は、ピョンチャンオリンピックの開幕式に習近平国家主席の特別代表として出席した中国共産党の最高指導部のメンバー、韓正政治局常務委員が、北朝鮮の高位級代表団の団長を務めたキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長と言葉をかわしていたことも明らかにしました。


内容は明らかにしませんでしたが、関係各国との対話を呼びかける中国側の立場を伝えた可能性があります。


今月9日に行われたピョンチャンオリンピックの開会式の中継の中で、アメリカのNBCテレビのコメンテーターが日本の選手団が登場した際に、「日本は1910年から1945年まで朝鮮半島を植民地支配していたが、韓国にとって、文化や技術、経済の発展過程で重要なモデルとなった」と発言しました。


この発言を巡って、韓国ではインターネット上で謝罪を求める請願への呼びかけが行われるなど、反発の声が広がり、大会組織委員会はNBCテレビに対して、発言が不適切で誤っていると指摘したということです。そのうえで、組織委員会は、NBCテレビから書面や番組の中で、謝罪があったことを明らかにしています。


また、ロイター通信は今回のオリンピックの期間中、NBCテレビはこのコメンテーターを起用しないことになったと伝えています。