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年間10億杯も売れている“お化けコーヒー”を変える真意は何なのか。

 筆者も会見に出席し、新旧のホットコーヒーを飲み比べたが、ひと口含んでぎょっとした。何これ、めっちゃ変わってる!コーヒー通ではないのであくまで私見だが、以前のセブンカフェは一言でいうと「あと味すっきり」。リニューアルしたそれは「コク深くリッチな味わい」だ。


 価格を据え置いた上で「リッチさ」を実現するために、(1)豆を1割増量(2)焙煎方法を2種類から3種類へ変更(3)豆の蒸らし時間をより長く(1杯の抽出時間45秒はそのまま)と説明があったが、興味を持ったのは、製法をグレードアップした点ではない。

「日本一売れているセブンカフェを変えることは、新しい価値をお客様に提供することであり、セブン─イレブンがジャンプアップ、いやステージアップすること」

「ボタンひとつで、さらに上質なコーヒーが手ごろな価格で飲めるという価値をお客様に提案する」


「(セブンは)コーヒー屋ではないので、他の食品のおいしさを邪魔しない味を狙った」


「コーヒーをリッチに変えることで、より高品質な商品を提供するきっかけになる」

(1)近所のコンビニにおいしい挽き立てコーヒーが100円であるという利便性の追求
(2)おにぎりやサンドイッチを買うついでにコーヒーも、という併売率の向上
(3)嗜好性の高いコーヒーが持つ集客力

「セブン─イレブンは、お客様の暮らしを支える一番近いお店です」


 と、企業の“あるべき姿”を表した言葉だ。セブンでは商品・サービス等、施策すべてがスローガンに基づいて展開されている。だからこそ、セブンンカフェ初めての刷新は、「今」だった。


(1)消費者のレギュラーコーヒーへの造詣が深くなった
(2)2万店を突破し、新たな価値提案が求められる
(3)通販、食品スーパー、ドラッグストア等、競合との競争激化


 と、コンビニを取り巻く環境にさまざまな「変化」が生じている。その変化に応じて自らも変わることが「近くて便利」な店であり続ける証なのだから。

「近所のコンビニで手軽においしいコーヒーが楽しみたいという“潜在ニーズ”を掘り起こしたいい事例になった。『近くて便利』という言葉を増強したともいえるでしょうね」


 潜在ニーズを掘り起こし、さらなる売上げアップを実現する。商売において最も困難なお題に挑むぞ、もっと成長するぞ――リッチに生まれ変わるセブンカフェは、セブンが発した「これから」を見据えた強い意思にほかならない。

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