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 今回のオリンピックで私たちが日本代表に見たものは何だったのでしょうか?羽生結弦選手の怪我から復帰し金メダルを勝ち取ったやり抜く力、宇野昌麿選手の謙虚さ、小平奈緒選手のライバルを思いやる共感力、パシュート(追い抜き)で目撃した高木美帆選手たちの協働力、平野歩夢選手の不屈の精神、そして渡部暁斗選手の心の回復力。これらが自信、自制心、回復力、責任感、共感力、柔軟性などに代表される「非認知能力」といわれるものです。
 私たちはオリンピックを通じて、非常に高い非認知能力の数々を目撃するという機会に恵まれました。これらはIQやテストの点数など計測可能な認知能力に対して計測不能であるから非認知能力と呼ばれています。


  どんなに素晴らしい技術や体力があっても、それを実行に移すことができたとしても、非認知能力が欠けていてはやり抜くことはできません。負けた時は前に進む勇気もエネルギーも湧かず、どこかでポキっと心が折れてしまうこともあるでしょう。


 だからこそ娘の幼稚園ではテスト勉強ではなく「非認知能力」にフォーカスしたのです。

 将棋の藤井聡太君やこれらオリンピック選手には高い非認知能力に欠かせないある共通点があります。それは「パッション」。好きこそ物の上手なれ、と言いますが、まさにパッションは全ての鍵なのです。


 アメリカに20年暮らして面白いなと思うのは日米の教育に対するキーワードの違いです。日本で学校といえば「勉強」。少しでもテストの点数を上げるために日夜「勉強」に励ませます。アメリカでは「パッション=輝く何か」。自分の情熱を傾ける何かを見つけ、それに向かって邁進し、立ちはだかる困難を乗り越えようとすることで「真の学力」を実地訓練し、やり遂げようとすることで非認知能力を鍛える。そしてその「心の強さ」と「真の学力」が学習態度に反映されその子にとって最大の学力が発揮される。
 だからこそアメリカでは成長の過程で子どもがいろんなことに興味を持つことを応援し、その子の好きや得意を応援し、パッション(好き)を通じて非認知能力を伸ばしていきます。好きなことをしている時、人は自然と笑顔になります。好奇心と探究心が芽生えます。好きだから苦にせずいろんなことに挑戦できるし、何があってもやり抜こうとするのです。好きだから壁にぶち当たった時、解決しようと柔軟性を発揮できるのです。そんな時、人は自信を感じ、自分に対する思いがポジティブになります。心がポジティブであるということは強い心の第一条件です。


 パッションは部活や課外活動のためだけにあるのではありません。勉強だってそうです。娘の通った学校は幼稚園から高校まで「好き」にフォーカスしますからプロジェクトベースの授業も多く、テーマは各自が興味に合わせて決めます。そうして自分の好奇心を刺激し、探求することで知識を蓄え、真の学力を使って問題解決を図っていきます。その際やり遂げようとする自分を支えてくれるのが非認知能力です。そうしてやり遂げることによって学力も非認知能力もますます高まっていくのです。

 アメリカの教育と子育てで大切なキーワードがあります。それは「失われた機会Lost Opportunity」。子どものあらゆる可能性を探り、子どもの能力を最大に引き出すことが学校と親の大切な役割で、そのためにはテストの点数にばかり心を奪われてはならない。テストの点数を心配するあまりテスト勉強にフォーカスしてしまえば、点数は上がり満点を取るのも難しくはない。だけどその代償はその時間でできたかもしれないその子のパッション(好き)に費やす時間の喪失、パッション(好き)を通じて育む個性と人格形成という人生で二度と取り戻すことのできない成長の時期を永遠に失うということ。それは長い人生を考えた時にあまりにも高すぎる代償。

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