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トランプ大統領は、戦闘機や軍艦の製造にも使われる鉄鋼やアルミニウムが各国から不当に安く輸入され、安全保障上の脅威になっているとして、大統領権限で行う異例の輸入制限措置を発動する文書に署名しました。


トランプ大統領は、8日、ホワイトハウスで、「鉄鋼やアルミニウム産業を保護しなければならない。長く続いた問題に対処するため行動をとる」と述べ、輸入制限措置を発動する文書に署名しました。


トランプ政権は、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の高い関税を課すとしていて、15日後に発動するとしています。


ただ与党・共和党や産業界などから慎重な対応を求める声が相次いでいることから、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を行っている、メキシコとカナダは、対象から外すとしています。


トランプ大統領は、8日の閣議で、「国ごとに関税を上げたり下げたりするほか、対象から外したり、加えたりすることがある」と述べ、友好関係にある国については、柔軟な姿勢も示していて、日本を含めた同盟国への今後の対応が注目されます。

アメリカの今回の措置は、日本の経済成長の前提となってきた自由貿易の枠組み自体を揺るがしかねないと懸念されています。
経済産業省によりますと、去年1年間の日本からアメリカへの輸出額は、鉄鋼で1855億円と鉄鋼の輸出全体の6.0%、アルミニウムは250億円と輸出全体の9.8%となっています。


今回の措置で日本が対象になると、アメリカに鉄鋼やアルミニウム製品を輸出する日本企業は関税が引き上げられる分、コストがかさむことになり、採算の悪化や輸出量の減少といった直接の影響が予想されます。


また、アメリカに輸出されていた各国の製品がほかの地域に流入して価格競争が激化し、特に日本メーカーは主要な市場であるアジアでの業績が悪化する懸念もあります。


一方、今回の措置は、アメリカでも鉄鋼などの値上がりによって自動車を含めた物価全体の上昇が予想され、好調な消費が減速しかねないと指摘されています。


EU=ヨーロッパ連合や中国などは対抗措置も辞さないとしていて、さらに大きな影響を及ぼすことが懸念されています。
EUはすでにアメリカの大型バイクやバーボンなど具体的な品目を挙げて対抗措置の可能性を示し、これに対してトランプ大統領はヨーロッパの自動車への関税の引き上げを示唆しています。


このような対抗措置の応酬が、世界最大の経済大国であるアメリカとEUや中国など主要な国や地域の間で広がるようなことがあれば、日本経済の前提となってきた世界的な自由貿易の枠組み自体が揺らぎかねないという懸念も強まっています。