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北朝鮮に拉致された可能性が排除できないとされる行方不明者の家族と、調査を進めている民間の団体は、ことし1月、オランダの国際刑事裁判所に、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の責任追及に向け捜査を始めるよう申し立てました。


この申し立てをめぐっては、規定上、検察官が捜査を始める要件に当てはまるか見通せない部分もあるという指摘も出ていましたが、民間の団体によりますと、今月4日付けで、国際刑事裁判所から「捜査を始める要件に該当しない」と回答があったということです。


国際刑事裁判所の規定では、捜査の対象は日本が加盟した平成19年以降の事案に限られ、それ以前に発生した事件については取り扱うことはできないと判断したものとみられます。


申し立てを行った代理人須田洋平弁護士はNHKの取材に対し、「われわれの主張が理解されず残念な結果に終わったが、北朝鮮による人権問題の改善に向け、なにができるか検討を続けたい」としています。


7日付けの北朝鮮朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、ことし2月にピョンチャンオリンピックに合わせて韓国で公演を行ったり、今月3日にはピョンヤンを訪れた韓国の芸術団と共演したりした「サムジヨン管弦楽団」に対し、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長から楽器が贈られ、6日に贈呈式が行われたと伝えました。


この中で、ことしに入って初めて存在が明らかにされた「サムジヨン管弦楽団」について、「キム委員長が楽団の創設者、総指揮者になって、新たな管弦楽団をみずから結成し、公演の準備を導いた」として、キム委員長の肝いりで創設されたものだと強調しました。


そのうえで、党で宣伝扇動部長を務めるパク・クァンホ副委員長が贈呈式での演説で、「キム委員長からの楽器には、サムジヨン管弦楽団が、わが党の音楽政治を率先して支えていくという大きな信頼が宿っている」と述べ、韓国での公演の成功はキム委員長の業績だとたたえたとしています。


「サムジヨン」は北部のペクトゥ(白頭)のふもとの地名で、かつてキム・イルソン(金日成)主席が抗日闘争を繰り広げた「革命の聖地」とされていて、その名を冠した楽団は今後も体制の宣伝や対外的な文化交流を先頭に立って担うと見られます。