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対イラン強硬派として知られるポンペイ国務長官は21日、ワシントンの保守系シンクタンクで、イラン核合意からの離脱表明後の、イランに対する新しい戦略について演説しました。


このなかでポンペイオ長官は、「イラン核合意は根本的な欠陥によって世界を危険にさらした」と述べて、離脱は正当な判断だと強調しました。


そのうえで、イランに対して、核合意では求めていなかったIAEA国際原子力機関の査察を無条件で受け入れることや、弾道ミサイルを拡散させないこと、それに、ウラン濃縮そのものの停止を要求しました。


さらに、内戦が続くシリアからイランが指揮する部隊を撤退させることや、イランが支援するレバノンイスラムシーア派組織ヒズボラなどへの支援を打ち切るよう迫りました。


そして「イランが変わらなければ史上最強の制裁になるだろう」と述べて圧力を最大化する方針を示して警告し、日本やヨーロッパなど国際社会に対しては、アメリカの戦略を支持するよう呼びかけました。


一方で、ポンペイオ長官は「仮にイランの指導者たちがトランプ大統領の誠実さやビジョンに疑いを抱くのであれば、われわれの対北朝鮮外交を見ればよい」と述べ、北朝鮮との外交を引きあいに出して、イランの対応次第では関係の改善に取り組む用意があるとも強調しました。


アメリカとしては、国際的な包囲網を構築して、イランの弱体化を図りたい考えですが、イランが強く反発するのは確実で、ヨーロッパなどの関係国が核合意の維持を目指す中、各国の協力が得られるかどうかも不透明です。

これについてイランのロウハニ大統領は21日、支持者らを前にした集会でイランに対する圧力を強化するアメリカの方針に強く反発しました。


この中で、ロウハニ大統領は、「あなたにイランや世界のことを決める権利があるのか?アメリカに世界を仕切らせることは認めない。そうした時代は終わった。国民と団結してわれわれの道を歩むまでだ」と述べて、アメリカの戦略に対抗していく姿勢を強調しました。


また、イラン外務省は声明で「アメリ国務長官の発言はあからさまな内政干渉で、国連加盟国に対する違法な脅迫行為であり強く非難する。こうした誹謗中傷は、核合意に対して不誠実な対応をとった事実から世界の視線をそらすため仕組まれたものだ」として、核合意から離脱したアメリカこそが、国際的な秩序を乱していると強く非難しました。

ロシア外務省でイラン外交を担当するカブーロフ局長はインターファクス通信に対し「逆効果だ。イランを脅すことなどできない」と述べ、批判しました。


そのうえで、「このような語り口で対話を試みることはイラン国民への侮辱だ。今の指導部を支持しない人たちでさえ、政権側につくだろう」と述べ、イラン国民の反発を買うだけで問題の解決には結びつかないと指摘しました。