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中国 北京の空港には29日午前、北朝鮮ピョンヤンからキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長が到着しました。


キム副委員長は、先にピョンヤンを訪れたアメリカのポンペイ国務長官と会談するなど、米朝首脳会談に向けた調整のキーパーソンです。


関係者によりますと、キム副委員長や北朝鮮外務省でアメリカを担当する北米局副局長と同じ名前が、30日、ニューヨークに出発する便の搭乗者名簿にあることから、キム副委員長らがアメリカに向かい、トランプ政権との間で会談の実現に向けた協議を行うという見方が出ています。


ただ、米朝両国はそれぞれ、代表団をシンガポールに送り、会談の進め方や警備などについて実務的な協議を行うと見られていますが、29日、双方が接触したとの情報は伝えられていません。


また、アメリカ政府は、南北を隔てる軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で北朝鮮側と協議しているとしていますが、29日、協議が行われたのかなどはこれまでのところ明らかになっていません。


米朝首脳会談に向け、各地で調整にあたる両国の高官らがどのように接触を進めるのか、その動向に国際社会の関心が集まっています。

北朝鮮のキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長は、軍出身の高官で、2010年に相次いで起きた韓国の哨戒艦沈没事件やヨンピョン(延坪)島砲撃に軍の偵察総局トップとして深く関わったとされています。


2013年3月には、国営テレビで「朝鮮戦争の休戦協定を白紙化する」と一方的に宣言する軍最高司令部の報道官声明を読み上げ、軍内部でも強硬派として知られていました。


キム氏は、2014年10月に開かれた韓国との軍当局者による会談に北朝鮮側の首席代表として出席するなど、南北対話の経験も豊富で、おととし2月に開かれた朝鮮労働党の会議に軍服ではなく人民服を着て現れ、その後、党で韓国との関係を統括する統一戦線部長への就任が判明しました。


ことしに入ってからは、相次いで2回行われた南北首脳会談と中朝首脳会談のいずれにも同席したほか、さきにピョンヤンを訪れたアメリカのポンペイ国務長官と会談しており、米朝首脳会談に向けた調整のキーパーソンとして、キム・ジョンウン金正恩)委員長のそばで存在感を増しています。

アメリカのトランプ大統領は、いったん中止と発表した米朝首脳会談の開催に向けた調整のため、政府代表団を北朝鮮に派遣したと明らかにしていて、国務省北朝鮮との協議を南北の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で行っているとしています。


これについて、アメリカの一部メディアは、北朝鮮問題担当の特別代表などを歴任したソン・キム駐フィリピン大使が代表団を率いていて、北朝鮮外務省でアメリカを担当するチェ・ソニ外務次官らと29日まで協議する見通しだと伝えています。


米朝首脳会談の開催に向けた最大の焦点で、両国の間で立場が大きく異なる北朝鮮の非核化の具体的な措置について意見を交わしているのか、注目されます。


こうした中、29日午前、アメリカ大使館の車両に乗ってソウル市内のホテルを出発するソン・キム氏の姿が確認されました。


ソン・キム氏は29日午後5時ごろホテルに戻ってきましたが、取材などには応じませんでした。


パンムンジョムで29日、米朝の協議が行われたのかなどは、これまでのところ明らかになっておらず、韓国外務省は「協議の内容について、韓国政府が具体的に言及するのは適切ではない」として、言及を避けています。

28日夜、シンガポールに到着したアメリカ政府の先遣隊は、シンガポールの南にあるセントーサ島にあるホテルに入りました。


29日午前、ホワイトハウスで大統領の実務などを調整するヘイギン次席補佐官の姿が確認されましたが、NHKなどの記者らから北朝鮮側と協議するのかと問われても、「多くの会合がある」などと述べるにとどまりました。


その後、10人ほどのスタッフがシンガポール中心部にある別のホテルのホールを視察しました。


ここでは、大きなスクリーンにトランプ大統領の演説の映像を映し出すなどして、設備を確認する様子がうかがえました。


首脳会談が行われた時に備え、メディアセンターを設置する準備にあたっているのではないかという見方が出ています。

シンガポール入りしている北朝鮮のキム・チャンソン国務委員会部長は、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長のそばで仕えていることで知られ、韓国メディアから「執事」とも呼ばれています。


キム部長は、ことし2月にピョンチャンオリンピックの開幕に合わせてキム委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏を含む代表団が韓国を訪問した際に同行したほか、3月にピョンヤンを訪れた韓国の特使一行のために開かれた晩さん会にも出席していました。


さらに、先月、朝鮮労働党の中央委員に選ばれ、キム委員長の信頼の厚さがうかがえます。


その1週間後に行われた南北首脳会談でもその姿が確認され、両首脳のすぐ後ろを歩くヨジョン氏らに退くよう促すような場面もありました。


この南北首脳会談に向けた準備段階で、キム部長は、会談の進行や首脳らの警護などについて話し合う実務協議で首席代表を務めたこともあります。


こうした経緯もあり、今回、シンガポールアメリカ側との間で会談の進行や両首脳の動き、それに、警護などについて話し合うものとみられています。