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 牛丼大手3社の2017年度の決算が出そろった。売上高は、「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD、18年3月期)が前年比6.4%増の5791億円、吉野家HD(18年2月期)が5.2%増の1985億円、松屋フーズ(18年3月期)が4.5%増の930億円だった。3社とも大幅な増収を達成している。


 3社とも牛丼業態がそれなりに好調だったことに加え、非牛丼業態が大きく伸びた。ゼンショーHDでは回転ずし店「はま寿司」が好調。吉野家HDはうどん店「はなまるうどん」、松屋フーズは「松のや」などのとんかつ業態が、大きく伸びた。

 近年、はま寿司は積極的に出店を推し進め、現在国内に約490店を展開し、「スシロー」(約500店)と店舗数において首位の座を争っている。そして、「くら寿司」(約410店)と「かっぱ寿司」(約340店)に対しては一歩リードしている格好だ。

 はなまるは「ぶっかけ」(300円〜)など手頃な価格のうどんメニューを武器に近年店舗数を伸ばしている。現在、国内に約440店を展開し、約800店を展開するうどん店「丸亀製麺」を猛追している状況だ。


 18年2月期、はなまるは販促面では「定期券」が大ヒット。17年4月から「天ぷら定期券」を、9月からは吉野家でも使える「はしご定期券」の企画を実施した。


 それぞれの定期券は購入するのに300円かかるが、天ぷら定期券は食事のたびに提示すれば天ぷら1品が無料となり、はしご定期券は吉野家では牛丼や定食などが80円引きに、はなまるでは天ぷら1品が無料になるというものだ。17年4月実施の天ぷら定期券は13万枚を、9月実施のはしご定期券は14万枚を販売したという。どちらも業績に大きく貢献した。

 とんかつ業態の松のやと「松乃家」は、「ロースかつ定食」(530円)など手頃な価格のとんかつメニューを武器に、大きく成長している。近年出店攻勢を強め、18年3月期だけで約30店も増えた。


 現在、松のやと松乃家で国内に約150店を展開し、「ロースカツ定食」(745円)などを提供する「かつや」(約370店)や、「ロースかつ御飯」(1200円程度、店舗により異なる)などを提供する「とんかつ和幸」(レストラン業態で約160店)を追いかける。

 牛丼大手3社の非牛丼業態を見てきたが、主力の牛丼業態はどうだろうか。


 4月末時点の国内店舗数に関しては、すき家が1941店、吉野家が1200店、松屋が957店だった。前年同月からの増減数は、すき家が22店減、吉野家が5店減、松屋が14店増となっている。3社ともここ数年の店舗数は横ばいで推移しており、牛丼市場は飽和感が漂う。