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(皇太子さま)
私たちは、この25年間、天皇皇后両陛下のなさりようをつぶさに拝見してまいりました。両陛下がこれまで一つ一つのご公務にお心を込めて取り組んでこられたことに対し、改めて深い感慨と敬意の念を覚えています。


そして、私たち自身、両陛下のお導きの下で、お互いに協力しながら様々な経験を積んできましたので、今回の25年という一つの節目を契機に、気持ちを新たにし、今までの経験を糧にしつつ、引き続き、お互いに協力しながら、国民の幸せを願い、一つ一つの公務に取り組んでまいりたいと思います。


次の時代の皇室のあり方については、両陛下も大事にされてきた皇室の長く続いた伝統を継承しながら、現行憲法で規定されている「象徴」としての天皇の役割をしっかりと果たしていくことが大切だと考えています。そして、象徴としてのあり方を求めていく中で、社会の変化に応じた形で、それに対応した務めを考え、行動していくことも重要だと思います。


私は、以前「新たな公務」について、自分自身も携わってきた水の問題や、環境問題、子どもや高齢者を取り巻く状況などについて触れましたが、今後も、そうした新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので、そうした公務に真摯に取り組んでまいりたいと思っています。同時に、世界各国との相互理解を深めていくことも大切であると思いますので、国際親善や文化交流の面でもお役に立てればと思います。


また、今後の日本や世界の将来を担っていくことになる若い人たちとの交流も大切にしていきたいと考えています。なお、雅子は、努力と工夫を重ね、体調に気をつけながら、一生懸命に快復への努力を重ねています。側で見ていて、そのことはよく分かります。国民の皆様には、引き続き、雅子の快復を長い目で温かく見守っていただければと思います。

(皇太子さま)
皇室に限らず、家庭や家族のあり方というものは、時代時代で、その姿が変わってくるものだと思います。私自身も、両陛下の下で家庭の温かさというものを味わいながら育てていただきました。これは、親子別々で過ごされた天皇陛下皇后陛下のお心遣いによるもので、大変ありがたいことと感謝しております。


一方で、家族の根幹をなすもの、それを私はお互いへの信頼と尊敬・尊重の気持ちだと思っています。そういった幹の部分は、いつの世も変わらないのではないかと考えます。特に近年、インターネットやSNSの発達などもあり、スマートフォンといった電子機器を介してのつながりが広がる一方で、お互いに顔の見える人間関係が希薄になりつつあると言われており、人と人とのつながりがこれまで以上に大切な時代になっていると思います。


そして、私は、そうした人と人とのつながりの基礎となるものが、家族、家庭なのではないかと思います。お互いへの信頼と尊敬によって家族がつながり、同様に、信頼と尊敬を通じて人と人が理解し合ってつながり、さらには地域社会や国全体、世界各国が強固につながっていく、そういうことが大事になってきているのではないかと考えています。


家族とは、小さくはありますが、社会を構成する一つの単位だと思います。私自身も、天皇陛下もおっしゃっているように、家族と生活をともにすることによって、幾らかでも、人々やその家族に対する理解を深めることが出来るようになったと思います。


また、これまで私自身が様々な務めを果たす中で、家族の支えと協力がとても重要な要素であったと強く感じます。これまで公私に渡り自分を支えてくれた家族に改めて感謝するとともに、私自身も雅子と愛子に対する信頼と尊敬・尊重の気持ちを大事にしていきたいと思っています。