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 元最高裁判事園部逸夫さん(89)は、行政法学者の父、敏さんに伴って日本統治下の朝鮮、台湾で青少年時代を過ごした。


 大正から昭和へ元号が変わった頃。政府は、東京、京都、東北、九州、北海道に5つの帝国大学を明治期から創ったのに続き、朝鮮に京城帝大、台湾に台北帝大を開学した。大阪、名古屋両帝大よりいち早い、外地での開学は、教育の機会拡大を図る政府の意欲の表れだった。


 敏さんは、夏目漱石らが教え、佐藤栄作池田勇人両首相を輩出した旧制五高から東京帝大へ。卒業後、赴任先の朝鮮・京城からドイツ留学した直後の留守宅で、逸夫さんが生まれた。「父は独逸(ドイツ)の逸を名付けるよう母に告げていた。秀逸の逸ではなくて」と笑う。


 小学2年で台湾へ。父は台北帝大教授として教えた。

父は大学を転々としながら研究を続けた。


 「それを大変だと思わなかった。内地の人たちも空襲で焼け出されて、みんなが苦労した時代だった」