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 参院自民の中核は竹下派だ。裏には引退して、なお影響力が残る元党参院議員会長の青木幹雄がいる。青木と一心同体ともいえる党総務会長の竹下亘は、安倍のライバルである元幹事長・石破茂とも関係が深い。その竹下は「安倍さんが引き続き総理になるか。『はい、その通り』とは即答しかねる」と繰り返す。「知事選で負ければ、参院側が反安倍で動き出しかねない」との疑心暗鬼が広がっていた。


 果たして結果は自民が推す花角が当選。決め手は、大票田の新潟市内で約1万8000票の大差をつけたことだ。党職員は言う。「二階派秘書軍団のローラー作戦が大きい。国政の補選の比ではなかった」。二階の政治の師である元首相の田中角栄のおひざ元で繰り広げた、角栄さながらの人海戦術の勝利だった。


「これで安倍三選は決まった」。三選に期待する議員の間では、すでに総裁選の勝負は決したかのような空気が広がる。ステーキ店の宴は、安倍にとっては、中間選挙をまとめてくれた二階に対する慰労の場にもなった。

 安倍は国政選挙になると、どんなに圧勝の情勢調査が流れても、自ら名簿を取り寄せ、街頭演説の合間の移動中、各地の経営者や県議に携帯電話で支持を呼びかける。自らが「火の玉」になって動くのは、総裁選も同じだ。


 6月18日夜。安倍は自民党政調会長岸田文雄と、東京・赤坂の日本料理店「古母里」へ赴いた。しゃぶしゃぶやすき焼きが売りの同店だが、安倍は「肉はやめよう」と魚料理を選び、約2時間、濃密な時間を過ごした。


 48人を擁する党内第四派閥・岸田派の領袖を誘ったのは安倍のほうだった。国会議員票の過半数に迫る細田、麻生、二階の三派を、まず固める。次に、旗幟を鮮明にしない他の派閥に支持を広げていく。それが安倍の基本戦略だ。2012年末の第二次安倍政権発足以降、政権の中枢で安倍を支えてきた岸田だが、総裁選での対応をいまだに明言していない。


 二人はビールの後、日本酒に移った。熱燗を楽しみ、店を出た岸田は記者団に「北朝鮮と終盤国会、もちろん総裁選挙の話もあった。内容はノーコメント」と語った。


 このニュースに、ネット上は荒れた。


「今日のような日でも総裁選」


地震があった晩でも総裁選の話をしながら日本料理店で会食か」


 震度6弱の揺れが大阪をおそった当日の夜だった。実は、この日、岸田は大地震発生を理由に、延期を模索。だが安倍側の意向で会食は強行された。

安倍は圧倒的三選に向けて、岸田に語った通り、総理総裁として権限を最大限に活用している。3月前半には党の各県連幹部を務める議員や県幹部、地方議員が次々と首相官邸に安倍を訪ねた。岡山、愛知、愛媛、北海道、長野、茨城。2019年に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた関係閣僚会議の誘致のためだ。


 中堅議員は「これも総裁選対策だ」と解説する。萩生田ら安倍側近は、石破の地方票を崩すため、安倍の地方行脚を、と考えるが、公務で忙しく、そう簡単ではない。だからこそ、閣僚会議誘致の陳情を利用しようというわけだ。


 そして時間を見つけては、地方に直接、出向く。6月2日には滋賀県連大会に出席。地方組織の定例大会に総理総裁が出席するのは異例だが、首相が出席できる日に合わせるため、官房副長官西村康稔らが動き、別の日に設定されていた大会を2日に動かすという念の入れようだった。

 新潟県知事選のハードルを越え、主要派閥を固め、党員票にも触手を伸ばし、北朝鮮問題も利用する。「権限をフル稼働し、首相としての実績を訴えれば、最終的には党員票でも石破に勝つことができる」(安倍に近い党幹部)との空気が醸成されつつある中、安倍三選の流れを逆流させかねない唯一のリスク要因は、小泉進次郎だ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180609#1528540780

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180709#1531133205
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180707#1530961168
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180627#1530095935
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