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 登山中に摂取する食料は、「単位重量あたりのエネルギー」が高いことが重要です。つまり、軽くて、小さくて、カロリー(エネルギー)が高い、という食料が適切です。また、調理が簡単であることも必要な条件です。調理にムダな水を使う食材も、山には向いていません。

昼食あるいは行動食は、食べやすさを優先します。ビスケットやパン、パウンドケーキ、キャラメル、飴、チョコレート、ドライフルーツなどがいいでしょう。おにぎりを愛用する人も多いのですが、気温が低くなると食べづらくなる欠点があります。


山行が2日以上にわたり、テント泊などの場合には、夕食や朝食も必要になります。


夕食には乾燥米を用意して、カレーやシチューなどと一緒に食べます。具にはベーコンなどの脂ものや乾燥野菜を入れましょう。夕食時は、登山中にゆっくりとエネルギーを補給できる大切な機会です。夕食で摂取したブドウ糖は、登山中に消費されたグリコーゲンを回復するのに用いられ、疲労回復につながります。また、タンパク質は、登山中に損傷した筋線維の補修に使われ、翌日の筋肉痛を和らげる効果があります。


朝食にはインスタントラーメンやお餅がおすすめです。糖分が多く、調理が簡単で、身体が温まりやすく、すぐ出発しようという気分にしてくれるからです。

登山中の水分摂取も大切です。登山中の脱水量は、気温や湿度などの影響を受けるため一概にいえませんが、体重70キログラムの男性が5キロの荷物を背負って、高度1000メートルを登った場合、4時間で600〜2300ミリリットルの汗をかきます。行程中に水場がないような場合には、500ミリのペットボトルを4本も持ち歩かなければならなくなります。


効率的な水分補給には、スポーツドリンクを活用するといいでしょう。スポーツドリンクを選ぶときは、食塩の含有量が大事です。食塩が含まれている水のほうが体内に貯まりやすいからです。


しかし、食塩が含まれている水は、腸管からの吸収が遅いという難点があります。それを補うのがブドウ糖で、水にブドウ糖が含まれていると、腸での吸収が早くなります。スポーツドリンクを選ぶ際には、食塩のほか、ブドウ糖の含有量にも目を配りましょう。


最近は、「塩分控えめ」や「カロリーオフ」などの名目で、食塩やブドウ糖の量を減らしたスポーツドリンクも販売されています。しかし、そのようなスポーツドリンクは、水分を早期に補給する、という本来の目的からは逸脱するものです。登山には向きません。


また、先の食事とも関連しますが、夕食時の水分摂取は重要です。からだが温まり、血中のブドウ糖濃度が上昇してくると、のどの渇きを感じるようになります。この時に十分に水分摂取するのです。


食事メニューに汁物を加えると、汗で失った塩分も摂取できます。食後のコーヒーなどに砂糖を入れれば、消費された筋肉のグリコーゲンの回復、疲労回復につながるのは、食事の項で述べた通りです。