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  ブルームバーグがGPIFの3月末時点の外国株保有を基に試算したところ、時価総額が10億ドルを超える銘柄は56。現在では時価総額1兆ドル(約111兆円)超えのアップル株を発行済み株式数の約0.9%に当たる4109万5884株保有し、BofAメリルリンチゴールドマン・サックスを上回るほか、JPモルガン・チェースに次ぐ12位の大株主となっている。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、GPIFが海外でも存在感を増してきてるのは間違いないと指摘し、中長期な運用なので分散投資を若干リスクを取りながら進めていく方向性は変わらないとみている。


  GPIFは安倍政権の下で、2014年にリスク資産投資を積極化する方針に変更し、外国株の保有比率の目標値を25%と、従来の2倍強へ引き上げている。現在の保有比率は目標値をすでに達成し、今年6月末時点の保有額は日本株とほぼ同じ規模の40兆7753億円に膨らんでいる。12年末時点の14兆4339億円と比べると2.8倍の規模だ。


  ブルームバーグの試算によれば、GPIFが保有する外国株の時価総額の割合は、米国株の55.5%を筆頭に、英国株5.6%、中国・香港株5.4%などが続いている。運用資産の8割以上は市場の運用指標に沿ったパッシブで、構成比はMSCIの外国株指数とほぼ同じ。時価総額上位の10銘柄中、同指数の構成銘柄と異なるのは1社だけだ。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、GPIFは株式保有を増やすタイミングに恵まれたと指摘。その分、短期的な株価の変動に運用成績が左右されやすくなっており、長期的な視野での評価を意識する必要があると言う。


  運用で今後の検討課題となる可能性があるのは国内株の占める割合だ。日本株はMSCI世界株指数の構成比で8%程度だが、GPIFの保有株のうち約51%を占める。米国株の保有は27%にとどまり、残りは約50カ国の株に分散されている。三菱モルガン証の藤戸氏は、純粋にポートフォリオの観点からは見直しがあってもおかしくないとみている。