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「妃殿下は合理性を重んじる海外での生活が長く、キャリアウーマンとして活躍してこられた方です。必ずしも理屈では説明がつかない祭祀という分野について、いまだに割り切れない思いをお持ちなのでは、と拝察されます」

 ならば、なにが割り切れないのか。

「たとえば、宮中祭祀にともなう“潔斎(けっさい)”という所作。儀式の前、全身を清めるために湯を浴びるのですが、着替えから女官の手によって行われます。妃殿下はご自身の裸を他人に晒さねばなりません。こうした“不合理さ”も、宮中祭祀を遠ざけてきた理由の一つと言われているのです」

 これら、日本の皇室ならではの特殊な儀式は“菊の壁”とも言われるという。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が語る。

「少なくとも推古天皇の時代から脈々と続いてきた祈りの儀式が宮中祭祀。皇室の慣習であり伝統であり、アイデンティティーそのものです。外交官を務められていた雅子さまが馴染むにはハードルが高いかもしれません。主要な宮中祭祀は、年に30ほどあります。皇后になられた雅子さまがこれらをどこまでこなせるのでしょうか。ご病気が治ったわけでもないですし……」

 行幸啓などのご公務や国事行為のみならず、宮中での祈りもまた、両陛下の大切なおつとめであることは言うまでもない。美智子さまと比べ、“雅子妃不在”が際立つ面もある。しかし、なによりも、胸の裡が問題なのだという。

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火に油を注いだ
「弁護士広報」の失敗例

 小室さんのような有名人や政治家、あるいは大企業が何かしらの疑惑やスキャンダルが持ち上がると、まずすがるのが顧問弁護士などの「法律のプロ」であることは説明の必要もないだろう。法廷闘争も見据えた問題の場合、どういうことを主張して、どういうことを口走ると不利になるのかというアドバイスは必要不可欠だからだ。

 それはそれでまったく正しい対応である。しかし、そこで記者会見や反論声明などの、いわゆる危機管理広報まで弁護士センセイが仕切ってしまう――つまり「弁護士広報」をおっぱじめると、たいがい事態はややこしくなる。というより、筆者の経験上、炎上してしまうケースが圧倒的に多い。

 弁護士さんは法律のプロではあるのだが、「情報戦のプロ」ではない。そのため、世論や報道トレンド、そしてメディアのリアクションなどを無視して、法廷で相手を論破する時のような独善的なもの言いや、世間の共感を得られない、形式的なコミュニケーションへ走りがちだからだ。

 小室さんの声明文からも、そんな「弁護士広報」の匂いがプンプンと漂う。もちろん、それは小室さんが弁護士を目指して日々勉強中ということも無関係ではないだろうが、その独特の「話法」と「論理展開」には弁護士の入れ知恵が見え隠れする。

言い出したらきりがないほど問題のある声明文ではあるのだが、その中でも、元婚約者の方をカチンとさせて、世間をさらにモヤモヤさせたということで言えば、致命的なミスは以下の3点だろう。

(1)メディアに切り取られる「傲慢な表現」を用いてしまった
(2)断定的なもの言いで、暗に対立相手を「嘘つき」と攻撃してしまった
(3)社会通念上、まずあってしかるべきの「感情」がない

 (1)に関しては、声明文を伝えるさまざまなメディアで「タイトル」に用いられているのでお分かりだろう。そう、「解決済み」という表現である。

 元婚約者は「返してほしい」と訴えているのだから、誰の目にも「解決済み」ではないのは明らかだ。にもかかわらず、小室さんは「解決済み」という表現を2度繰り返している。もしちゃんとした広報のプロが小室さんの側にいれば、このようなことをさせなかったはずだ。

 (2)の「断定的なもの言いで、暗に対立相手を『嘘つき』と攻撃してしまった」に関しては、声明文全体に当てはまることなのだが、最も分かりやすいのが以下のようなもの言いだ。

《その際に母が婚約期間中に受けた支援については清算させていただきたいとお伝えしたところ、元婚約者の方から「返してもらうつもりはなかった」という明確なご説明がありました》
《支援や慰謝料の点を含めて金銭的な問題はすべて解決済みであることを二人は確認したのです》

「元婚約者」という第三者、しかも主張する事実が決定的に食い違っている相手のとったアクションや発言、そして認識について、まるで自分のことのように断定的に語っていることが分かる。

 もちろん、小室さんや代理人弁護士は白黒つけようと、こういう声明をつくったのだろうが、国民が注目しているのは、そういう極めて個人的な金銭トラブルの中身よりも、それに対応する小室さんの「人間性」である。

 このまま元婚約者の方を嘘つきだと断罪して、法的にも400万円を払わずに済んだとしても、「いやあ小室さんはいい人だね、これで心から眞子さまとの結婚をお祝いできるね」となるだろうか。なる訳がない。

「弁護士広報」というのは、どうしても「人の道」から外れたもの言いになってしまう。

 法廷闘争を見据えればそれもしょうがないが、それがトラブルの相手をカチンと来させ、世間からも「この人って本当に大丈夫?」という不信感を抱かせてしまうのも事実なのだ。

 もし筆者が、小室さんの声明文にアドバイスをする立場だったら、今のような流れにはしない。まず、冒頭に説明が遅れたことへの謝罪をしたら、元婚約者氏への感謝と、そのおかげで大学に行くことができて、自分の可能性が広がったということに声明文の多くを割く。

 そして、支援か貸付かという問題にはほとんど言及しない。「解決済み」なんて言葉は絶対に用いず、ほんの1行程度、「母と自分としては、返済しなくていいということを元婚約者の方から説明をいただいたと認識していました」と触れるくらいの感じである。

 そして、最後にもう一度、感謝をしていることを強調し、自分たちの対応が遅れた非礼を詫びるとともに、400万円の扱いについて、「もう一度しっかりと元婚約者の方と話し合いを始めたい」という「これから」の意思表示をする。

 もちろん、声明後に元婚約者の方が「お金を貸している私には何の連絡もない。順序が違うのではないか」と怒っているように、本来は当事者と話し合いをしてから、世間に公表をするというのが常識であることは言うまでもない。

 声明を辞書で引けば、「自分の立場や考えを人々に伝えること」とある。

 小室さんが今、伝えなくてはいけないのは、「うちのお母さんは正しい」ということではない。自分の未来を支援してくれた恩人とのトラブルをどう考えているのか。そして、これをどう収めていくのか、だ。

 そのような声明を「弁護士話法」ではなく、自分自身の言葉で語ることができるまで、眞子さまの夫として、人々の信頼を得られることはないのではないか。

 そして、「破談メッセージ」が込められているのが、他ならぬ以下の箇所である。

〈公務を離れたら何かすることを考えているかとこの頃よく尋ねられるのですが、これまでにいつか読みたいと思って求めたまま、手つかずになっていた本を、これからは1冊ずつ時間をかけ読めるのではないかと楽しみにしています。読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説も、もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています〉

 唐突な「ジーヴス」については、〈イギリスの作家P・Gウッドハウスによる探偵小説「ジーヴスの事件簿」に登場する執事ジーヴス〉と注釈が付されている。「探偵小説」と違って、固有名詞に言及されたあたり、踏み込まれた印象が色濃く、この小説への思い入れは相当なものと推察される。ともあれ、何が「破談メッセージ」なのか、説明を加えると共に解き明かして行こう。

 ウッドハウス1881年生まれの英国人ユーモア作家である。いわゆる「ジーヴス」ものは、貴族階級のお人よしでおっちょこちょいな青年が主人公。その性格ゆえに巻き込まれる多くのトラブルを、天才執事・ジーヴスが快刀乱麻を断つように解決していく。このコンビの人気は英国内ではシャーロック・ホームズとワトスンに比肩するとも。そんな彼を執事に採用するきっかけは、主人公と婚約中である令嬢への“評価”だった。

 掻い摘んで言うと……令嬢は主人公に対し、結婚の条件に「ある暴露本の出版阻止」を挙げる。主人公の親族が回想録を世に問おうとしたところ、そこにはあろうことか婚約者の父親の好ましからざる過去が記述されていた。結婚を切望する主人公は令嬢の求めに応じ、原稿を盗もうとするものの、一歩先を行く執事が主人公を出し抜き本は出版されてしまう。結果、婚約破棄となるのだが、それは婚約者の性格を見抜いた執事の巧緻な策略の為せる業だった。例えば執事は大要、

〈気の強い性格で機嫌は変わりやすく、彼女と結婚した暁には幸せになれない。彼女の教育方針は押しつけがましく、プレゼントされた本はあなたに全くふさわしくない〉

 と説く。その甲斐あって、主人公は婚約者と正反対で、もっと甘え上手でしとやかでお喋り好きの女性こそ理想の妻ではないのか……と思い至るのだ。

 性別こそ違え、婚約相手を冷静に分析し、別離を勧める――。暴露本の出版はともかくとしても、そんな小説を美智子さまが「愛読書」として持ち出されたのは単なる偶然ではなかろう。