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皇太子さまは、大学時代に「水上交通」をテーマに、水にまつわる研究を始め、その後も専門家と交流し、水に関する施設の視察や研究を重ねる中で、「地球環境」や「自然災害」など、水をめぐる世界のさまざまな課題への認識を深められてきました。

その過程で、水をめぐる問題についてたびたび講演を行われていて、その記録をまとめた本が、「水運史から世界の水へ」というタイトルで、ことし4月に出版されることになりました。

タイトルは、皇太子さまご自身がつけられたということで、昭和62年のイギリス・テムズ川の水上交通の歴史に関する講演から、去年ブラジルで開かれた「世界水フォーラム」での基調講演に至るまでの9つの講演の記録が、およそ260ページにまとめられているということです。

皇太子さまは出版にあたって、本の冒頭部分を書き下ろし、「私の視野を大きく広げてくれた『水』に感謝しています」と記されています。

皇太子さまが、単独で著書を出版されるのは初めてで、宮内庁は「皇太子殿下のご活動の一端を知っていただく機会になれば」としています。皇太子さまの本は、ことし4月4日に発売される予定です。

大学時代「水上交通」をテーマに水にまつわる研究を始められた皇太子さま。水をめぐる問題に長年取り組む中で、ご自身の視野や活動の幅を広げられてきました。

大きなきっかけとなったのが、平成15年に京都で開かれた「世界水フォーラム」でした。大会の名誉総裁を務めた皇太子さまは「水上交通」について講演を行う一方、世界各国の専門家と交流する中で、水をめぐる問題が環境や衛生など多方面にわたることに驚き、問題への理解を深めて、関わり続けたいと考えられるようになりました。

根底にあったのは、社会で弱い立場にある人たちを思う気持ちでした。かつてネパールで目の当たりにした水くみ場に列をなす女性や子どもたちの姿が強く印象に残られていた皇太子さま。
開発途上国では多くの女性が、水を得るための家事労働から解放されずに地位向上を阻まれ、子どもが水くみに時間を取られて学校へ行けない現実がある」などと、水の問題が社会に与える影響を語られるようになりました。

その後も国内外で水に関する施設の視察や研究を重ね、平成19年に、国連の「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁に就任すると、水の問題は温暖化などとも関わる地球規模の課題だという認識を深め、「国際社会が一体となって取り組んでいかなければならない」と述べられるようになります。

そうした中、平成23年東日本大震災が発生し、津波で多くの犠牲者が出ます。皇太子さまは、日本の水災害の教訓を国際社会に伝えていくことにも力を入れられていきます。

平成25年には、皇族として初めて国連本部で講演を行い、歴史研究者としての視点から、過去の災害に学び未来への備えとすることの重要性を訴えられました。

「水上交通」に始まり「社会的弱者」や「地球環境」、そして「災害」へと視野を広げてきた皇太子さまは、おととしの誕生日を前にした記者会見で「国民の幸せや、世界各地の人々の生活向上を願っていくうえでの一つの軸として、『水』問題への取組を大切にしていければと思っています」と話されました。

その後も国内外での視察や講演に臨み、去年3月にはブラジルで開かれた「世界水フォーラム」で、改めて国際社会の結束を呼びかけられました。

ことし5月、新しい天皇に即位される皇太子さま。去年の記者会見では、即位後の水をめぐる問題への取り組みについて、「私の立場で水問題への取組をこれからどのように生かしていけるのか、今後考えていきたいと思います」と述べられています。

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