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イギリスのメイ首相は20日、ベルギー・ブリュッセルのEU本部でユンケル委員長と会談し、離脱の条件を定めた「離脱協定案」について協議しました。

去年、双方はいったん離脱協定案で合意していますが、イギリス議会の同意が得られず、メイ首相はイギリスの北アイルランドアイルランドとの国境管理の在り方に関する条項の修正が必要だと再交渉を求めてきました。

これに対してEU側は、合意した離脱協定案が「最善にして唯一の案だ」として再交渉には応じられないと繰り返し強調しています。

会談後、両首脳は共同声明を発表しましたが、国境管理の問題をめぐってどのような案なら双方に受け入れ可能か話し合ったと言及するにとどまり大きな進展は見られませんでした。

そして、実務者レベルで協議を続け、今月中に改めて両首脳が会談するとしています。

メイ首相は、来週26日、EUとの協議結果について議会に報告することになっていますが、このまま進展がなければ議会の反発は避けられない情勢です。

また、この日、メイ首相が率いる保守党では離脱の方針に反対する議員3人が離党を表明するなどメイ首相の求心力の低下は深刻で、今後、EUとの協議をまとめ、さらに議会の同意を得られるのか、ますます不透明感が増しています。

メイ首相がEU本部を訪問した20日ドイツのベルリンにはイギリスのハント外相が訪れてマース外相と会談し、離脱協定案の修正に向けて妥協するよう求めましたが、マース外相は応じられないという考えを示しました。

会談後の記者会見で、ハント外相は「EUからの離脱がうまくいかなければ、イギリスだけでなくヨーロッパ全体にとって大災難だということでは一致している」と述べました。

そのうえで、「離脱協定案に単純だが、重要な修正があれば、イギリスの議会で可決できる」と述べ、議会で特に批判が集まっているイギリスの北アイルランドアイルランドとの国境管理の条項の修正について、ドイツ側に歩み寄りを求めました。

これに対しドイツのマース外相は、「われわれはまだ『合意なき離脱』を避ける方策を見つけられないでいる。時間切れが徐々に近づいている」と危機感を示しました。

しかし、アイルランドとの国境管理の条項については、「イギリスのEU離脱によって北アイルランドで厳格な国境管理が行われるのを避けるための保険だ」と述べ、イギリス政府が求める修正には応じられないとの考えを示しました。

イギリスでは、今週、最大野党の労働党の議員8人が、離脱方針や人種差別問題に対する党の姿勢を批判して離党し、独立系の会派を結成しました。

そして20日には、この会派に与党・保守党の3人が、離党して合流することを表明しました。

メイ首相に宛てた書簡で3人は、「党はEUに強硬な姿勢をとる離脱強硬派に牛耳られている。離脱への壊滅的な対応が離党の引き金となった」と述べ首相のこれまでの対応を痛烈に批判しました。

そして、「かつては経済政策で信頼を得ていた党が、無謀な『合意なき離脱』の崖っぷちに国を追い込んでいるのを見るのは良心のかしゃくに耐えない」と述べ、EUと合意しないまま離脱して社会や経済が混乱するのは避けるべきだと強調しました。

議会で過半数を持たずに厳しい政権運営が続くメイ首相にはさらなる打撃となりそうですが、首相は「3人の決断は悲しいが、離脱を選んだ国民の決定を実現することが正しいと信じている」と述べ、譲らない姿勢を示しました。

3人は、ほかの議員にも離党を呼びかけており、政界再編につながる動きとなるのか注目されます。

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ホンダは19日、イギリス南部のスウィンドンにある工場で行っている乗用車の生産を2021年中に終了させ、工場を閉鎖する方針を発表しました。

これについてメイ首相は20日、議会で行われた党首討論で、「ホンダの決定には深く失望した」と述べ、イギリス経済にとって大きな打撃になるという受け止めを示しました。

一方で、工場閉鎖の背景については「ホンダはEU離脱とは関連がないとはっきり言っている。あくまで世界の自動車市場の変化に対応するためのものだ」と強調しました。

議会ではEU離脱交渉の行き詰まりで企業の信頼を失ったという声が出ているため、メイ首相には政権への批判が強まることを避けるねらいがあるとみられます。

イギリスでは航空機メーカーのエアバスや自動車メーカーのフォードが、来月29日の離脱の期日までにEUとの交渉が最終的に合意しなければ生産への影響は避けれず、イギリス国外への工場の移転もありうると表明していて、多くの雇用を抱える製造業に影響が広がることに懸念が高まっています。

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