https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

内閣府が発表したことし1月の「景気動向指数」によりますと、景気の現状を示す「一致指数」は、平成27年を100として97.9と、前の月を2.7ポイント下回りました。

指数の悪化は3か月連続で、中国経済の減速などを背景に、半導体や産業ロボットなど、企業の生産が落ち込んだことが主な要因です。

これを受けて、内閣府は景気の基調判断をこれまでの「足踏みを示している」から「下方への局面変化」に修正しました。

内閣府によりますと、この表現は「景気のピークが数か月前にあった可能性が高いことを示す」と定義され、ことし1月の時点で景気がすでに後退局面に入っていた可能性があることを暫定的に示しています。

政府は1月に「今の景気回復が戦後最長になったとみられる」という見解を示していますが、今回の結果はこれとは異なる形となりました。

これについて内閣府では「景気の現状の基調判断は、あくまでも指数から機械的に示されるもので、政府としての景気判断は月例経済報告で総合的に示したい」と話しています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング小林真一郎主席研究員は「過去の例を見ると、実際には景気がすでに後退局面に入った可能性が高く、景気拡大局面が今も続いているかについては、黄色信号がともった状態だと言える」と分析しています。

また、今回の基調判断の下方修正の背景について、スマートフォン関連製品の世界的な需要減少と、アメリカと中国との貿易摩擦の影響で、国内の生産や輸出が急速に落ち込んだことなどが要因だとしています。

そのうえで、小林主席研究員は「今後、景気が本当に悪化するのか、それとも改善に向かうのかは、海外の政治動向がポイントとなる。特に米中の貿易摩擦で、さらに関税の引き上げなどが行われれば、中国だけでなくアメリカの経済も悪化して、世界経済全体が落ち込み、日本の景気も悪化に向かう可能性がある」と述べました。

景気動向指数」は生産や雇用など、さまざまな経済指標を組み合わせて、国内の景気全体の状況を示す統計です。
内閣府が毎月、発表していて、指数の動きから景気の「基調判断」もあわせて公表しています。
基調判断は指数の動きから機械的に導き出され、これまでも政府の正式な景気判断とは異なるケースがありました。

7日に発表された1月の基調判断は「足踏みを示している」から「下方への局面変化」に修正されました。
内閣府によりますと、この表現は「景気のピークが数か月前にあった可能性が高いことを示す」と定義されています。
つまり、今回の判断は暫定的ながらも、ことし1月の時点で景気がすでに後退局面に入っていた可能性があることを示しているのです。

基調判断が「下方への局面変化」となったのは、消費税率を8%に引き上げたあと、消費が低迷していた平成26年の11月以来、およそ4年ぶりです。

一方で、政府はことし1月、景気回復の期間が6年2か月に達し、戦後最長となった可能性が高いという見解を明らかにしていて、今回の景気動向指数は政府の景気判断とは異なる形となっています。

ただ、景気の回復や後退の時期は、正式には内閣府有識者による研究会が、十分な統計データがそろった段階で、1年から1年半後に判定します。
内閣府によりますと、平成26年景気動向指数の基調判断が、「下方への局面変化」となった際には、内閣府の研究会は景気が後退していたとは認定しませんでした。

世界経済はアメリカと中国の貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題などで不透明感が増しています。
特に中国経済貿易摩擦も重って、成長のペースは鈍化しており、その影響は日本企業による業績予想の下方修正や、工場の操業の一時停止などの形で顕在化しています。
さらに、国内ではことし10月に消費税率の10%への引き上げを控えています。

内閣府は「政府としての景気判断は、月例経済報告で総合的に示したい」としていますが、景気の判断が分かれること自体、今の景気回復が力強さを欠いていることの現れとも言え、日本経済は重要な局面に来ています。