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アップルは25日、カリフォルニア州クパチーノの本社で、この秋から「アップルTV+」として、定額制の動画配信サービスの事業に参入すると発表しました。

具体的にはスティーブン・スピルバーグ監督のほか、ジェニファー・アニストンさんやリース・ウィザースプーンさんといったアメリカの人気俳優を起用した、ドラマやドキュメンタリーなどのオリジナル作品を手がけるとしています。

100以上の国や地域で見られるということですが、日本を含むかどうかや料金など、具体的な内容は明らかにしませんでした。

ティム・クックCEOは「創造性の力を信じている。すばらしいストーリーは感動を引き起こす」と述べて、作品の制作から作品を鑑賞するための端末まで手がける考えを示しました。

これに先立ちアップルはことし5月から、アプリを使ってさまざまな会社の映画やスポーツの試合なども有料で配信するということです。

また300を超す雑誌や新聞を月額9ドル99セント(およそ1100円)で読み放題にするサービスについても、この日からアメリカなどで始めたことを明らかにしました。

アメリカでは若者がインターネットを使った動画配信サービスを利用する傾向が顕著になっています。

アメリカの世論調査機関、ピュー・リサーチセンターがおととし全米のおよそ1900人を対象に行った調査によりますと、番組を見る主な手段として、18歳から29歳では61%が動画配信サービスを選び、テレビ放送と答えた31%を大きく上回っています。

65歳以上の年齢層で、84%がテレビ放送を選び、動画配信サービスと答えたのは5%にとどまったのと対照的です。

このため若者に番組を見てもらおうと、アメリカのメディアは動画配信サービスに力を入れています。

動画配信サービスで大きく先行するのは、世界190か国以上で1億3900万人の利用者を抱えるアメリカのネットフリックスです。

定額制の使い放題のサービスで、広告には依存していません。

6年前にドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を発表して以来、力を入れているオリジナル作品は現在、日本語を含む27の言語で世界に同時配信しています。

去年はオリジナル作品の制作と外部の作品の調達のために85億ドル(およそ9400億円)もの資金を投じ、ことしはさらに増やす見通しです。

ほかにアマゾン・ドット・コムが1億人を超える有料のプライム会員向けに「プライム・ビデオ」を展開し、オリジナル作品に積極的に投資しています。

アップル以外にも、ネットフリックスやアマゾンを追うようにして、今後、動画配信サービスへの新規参入が相次ぎます。

このうち娯楽大手のウォルト・ディズニーは「ディズニー+」をことし後半に開始し、オリジナル作品を制作するほか、今後公開される映画を独占的に配信します。

通信大手AT&Tの傘下に入った娯楽大手のワーナーメディアも、ことし後半に映画やオリジナル作品を配信するサービスを始める計画です。

アメリカの3大ネットワークの1つを抱えるNBCユニバーサルも来年、東京オリンピックパラリンピックの開幕に間に合わせる形で動画配信サービスに参入する計画で、親会社の大手ケーブルテレビ、コムキャストの会員であれば、広告を流す代わりに無料にするということです。

アップルは、売り上げの60%以上を占めるiPhoneの販売が伸び悩む中、アプリの販売や音楽配信、モバイル決済など、現在は売り上げのおよそ15%にとどまるサービス事業に力を入れています。

アップルはこうしたサービス事業について、2020年までに2016年時点の2倍にあたる500億ドル程度(およそ5兆5000億円)まで伸ばすという目標を掲げ、サービス事業を強化することで、1つの商品に依存しない “脱iPhone” を進めることにしています。