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閲覧した人のパソコンの処理能力を無断で利用できるプログラム「コインハイブ」は、仮想通貨を獲得する手段に使われ、警察による摘発が相次ぎました。

このうち都内に住む31歳のウェブデザイナーの男性は、おととし自分のサイトにこのプログラムを埋め込んだことが、コンピューターウイルスを保管する行為に当たるとして不正指令電磁的記録保管の罪に問われました。

裁判で、検察が「閲覧者の意図に反した行為だ」として罰金を求刑したのに対し、弁護側は「同じ技術はネット広告や警察のホームページなどにも広く使われていてウイルスではない」などと無罪を主張していました。

27日の判決で横浜地方裁判所の本間敏広裁判長は、「閲覧した人の意図に反する動作をさせる点は認められるものの、パソコンへの影響は軽微だ。当時、社会的に許容されていなかったとまでは言えない」としてウイルスではないとする判断を示しました。

そのうえで、男性に無罪を言い渡しました。

男性は去年書類送検され、罰金10万円の略式命令を受けましたが、これを不服として正式な裁判で争っていました。

判決のあと記者会見したウェブデザイナーの男性は「一安心という気持ちです。これまで裁判に縁がありませんでしたが、こういう結論が出たので裁判で争う判断をしてよかったです」と話しました。

また、男性の弁護士は「警察官も検察官も技術に関する理解が不十分だと感じる。捜査する側も技術的な知見を蓄積していく必要がある」と指摘しました。

コインハイブがコンピューターウイルスに当たるかどうか専門家の中でも意見が分かれていただけに、27日の判決を批判的に受け止める意見も出ています。

コンピューターウイルスの犯罪に詳しい甲南大学法科大学院園田寿教授は、「『無断で自分のパソコンが金もうけに使われても文句は言えない』とも受け取れる判決で、専門的な知識がないユーザーのネットに対する不信感を高めるのではないか」と懸念を示しました。

そのうえで、「今後、警察はこの種の行為を犯罪として摘発しにくくなるだろう」と指摘しています。