https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

イランは、アメリカの経済制裁によって核合意で約束された経済的利益が得られていないとして、今月6日以降、ウラン濃縮活動に使われる新型の遠心分離機の開発を強化する対抗措置をとっています。

こうした中、イラン原子力庁のサレヒ長官は8日、首都テヘランを訪れたIAEAのフェルータ事務局長代行と会談しました。

会談のあと、サレヒ長官は記者団に対して、対抗措置をとった理由について「ヨーロッパ側が約束を果たせなかった」と述べ、ヨーロッパがイランへの具体的な経済支援策を実現できなかったためだという認識を示しました。

一方で、「今後もIAEAとの幅広い協力を続けたい」とも述べ、IAEAによる核施設への査察活動に協力する姿勢を強調していて、国際社会からの反発を抑えるねらいもありそうです。

これに対して、フェルータ事務局長代行は「われわれは専門的、かつ中立的な仕事を行う用意がある」と述べ、引き続き核施設の査察活動に協力するよう求めたものとみられます。

IAEA国際原子力機関は8日、フェルータ事務局長代行のイラン訪問について声明を発表し、核施設に対する査察活動はイラン側の全面的な協力が必要だと伝えたということです。

そのうえで「イランが新たな対抗措置として発表した遠心分離機の研究・開発についてフェルータ氏は説明を受けた」としており、イラン側から遠心分離機の研究・開発はあくまで平和利用が目的だと説明があったものとみられます。

IAEAでは、9日から本部があるウィーンで定例の理事会が開かれる予定で、イラン側の新たな対抗措置が核合意の義務に違反するかどうかなど、核開発の最新の現状についてアメリカを含む理事国に報告することにしています。

イランの精鋭部隊・革命防衛隊はことし7月、国際的な航行規則に従わなかったとしてペルシャ湾のホルムズ海峡でイギリス船籍のタンカーを拿捕し、その後、船の拘束を続けています。

これについてイラン外務省のムサビ報道官は8日、国営メディアの取材に応じ「拿捕したイギリスのタンカーの解放に向けて、必要な措置をとっている。現在、最終的な法的手続きに入っている」と述べて、タンカーが近く解放されるという見通しを明らかにしました。

イランとイギリスをめぐってはイギリス領ジブラルタルもイランのタンカーを拿捕し、1か月以上にわたって双方が互いのタンカーを拘束する事態が続いていましたが、先月になってジブラルタル自治政府が先にイランのタンカーを解放しました。

アメリカが経済制裁などを通じて圧力を強めるなか、イランはこのところ核合意の枠組みにとどまっているフランスなどとの間で経済支援策について協議を続けています。

このためイギリスのタンカーの解放に向けた手続きの進展にはヨーロッパ諸国との関係を維持しようとするイラン側の思惑もありそうです。

シリア北部は過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いの末、アメリカが支援するクルド人勢力が実効支配していますが、去年12月にトランプ大統領アメリカ軍を撤退させる方針を発表したのをきっかけに、クルド人勢力を敵視する隣国トルコのエルドアン大統領との間で、「安全地帯」を設置しようと協議が続けられてきました。

アメリカとトルコは先月、この調整にあたる合同作戦本部を発足させていますが、8日には地上部隊を投入し、安全地帯の設置が計画されている地域での合同パトロールを本格化させました。

この安全地帯にエルドアン大統領は先週、自国で受け入れている360万人のシリア難民のうち、100万人以上を帰還させる考えを明らかにし、国際社会に支援を呼びかけました。

今回の合同パトロールについて、シリアのアサド政権の高官は、国営通信に対し「シリアの主権と領土の保全を侵害する重大な国際法違反だ」と述べ、強く反発しましたが、パトロールの本格化によって安全地帯の設置は現実味を帯びてきています。

d1021.hatenadiary.jp