31歳東大准教授が「進学校より高専」を勧める深い理由https://t.co/WCRjCWQNnq
— デイリー新潮 (@dailyshincho) 2019年9月23日
教育は親の最大関心事である。学歴なんか無用だという意見もあるものの、「できれば東大など一流校に」という昔ながらの願いを持つ人も少なくない。東大では最年少の31歳という若さで特任准教授となった大澤昇平さんは…
そもそも彼は、「東大」には新入生として入学していない。進学校も卒業していない。センター試験などいわゆる普通の大学試験を経ず、高専から大学(筑波大学)に編入、さらに東大大学院へと入っているのだ。このように説明すると、「学歴ロンダリングじゃないか」と揶揄する向きもあるかもしれない。が、そうではない。
「もともと製造業発展のために作られた学校ですが、最近は学生の半数が大学に進学(通常は大学3年からの編入学)します。工業高校と専門学校を足して2で割ったような性質で、就職率が100%近いため競争率が高く、偏差値も進学校並みに高いことがあります。
高専から大学に編入するのは、キャリアパス設計の上での『ファストパス』に相当します。受験勉強をする必要がなく、早い段階でテクノロジストとして必要なスキルを身につけることができるからです。
進学校では大学合格が目的化していて、いわゆる受験数学一辺倒になりますが、高専では、数学は常に実用が前提にあります。同じ三角関数でも、電気交流のモデリングや超電導の設計など、様々な応用例を学ぶことができます。
進学校で受験勉強に没頭する学生とは逆コースをたどりますが、就職率はほぼ100パーセント、そのうち半分くらいは大学へ編入学して、さらに最先端の研究に携わることができます。当然ながら、就職の場面でも比較優位に立ちます」
単に就職を考えれば、「進学校」→「一流大学」でも同様に好条件が得られるだろう。しかし専門知識を深めるという意味では、高専に進むことに大きな意味があった、と大澤さんは振り返る。
「たとえプログラミングなど専門分野に才能がある子供でも、高校2年、3年の時に受験勉強に専念すると、その間、まったく意味のない暗記などをしなければいけなくなります。せっかく詰め込んだ知識も、大学に入るとたちまち忘却されてしまいます。
しかし、専門教育より学歴を重視する今のシステムでは、こうした『無駄』が正当化されてしまいます。これが日本の教育システムが抱える未修正バグ、『大学受験のジレンマ』であり、日本が技術大国としてのプレゼンスを失った最大の敗因だと思います。
苦労して苦手科目を克服して東大に入った時には、疲弊していて、新しい研究をしようという意欲が薄くなってしまうわけです。
米国のGAFAなど巨大IT企業は、すべて10代~30代の若者が起業しました。これからは日本でも、既存の教育システムに依存せず、若者自らがキャリアパスを読みながら成長機会を獲得していかなくてはならない時代だと思います」
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