https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

普天間基地の移設計画をめぐり、沖縄県は名護市辺野古沖の埋め立て承認を撤回しましたが、沖縄防衛局の請求を受け、ことし4月、国土交通大臣が県の撤回を取り消す裁決を行いました。

県は国と地方の争いを調停する「国地方係争処理委員会」に審査を申し出ましたが却下されたため、裁決の取り消しを求める訴えを起こしていました。

裁判で県は「辺野古沖の埋め立てを推進する内閣の一員による判断は中立的な立場を放棄したものであり、裁決は違法だ」などと主張していました。

23日の判決で福岡高等裁判所那覇支部の大久保正道裁判長は「証拠などから、裁決が権限や立場を著しく乱用するなどした違法なものとは認められない」と指摘しました。

そのうえで「裁決は法律に基づく形で行われており、地方自治法の規定により裁判の対象にならない」として県の訴えを退けました。

今回の判決を受けて沖縄県最高裁判所に上告するかどうか検討するとともに、国を訴えた別の裁判が来月始まることから、改めて撤回の正当性を主張することにしています。

今回の裁判は裁決の根拠が妥当だったかどうかを争っているのが特徴です。

沖縄県は埋め立て承認後に、埋め立て予定区域で軟弱地盤が見つかったことなどを根拠に撤回していて、その正当性を主張していく方針です。

また司法の場以外でも軟弱地盤が見つかったことに伴う政府からの工事の設計変更の申請に厳しく対応することで、辺野古移設阻止に向けた突破口を見いだしたい考えです。

沖縄県の玉城知事は午後5時半ごろ県庁で記者団に対し「このような内容の判決になったことは誠に残念だ。私としては納得できるものではなく、判決内容を精査したうえで上告について決定したいと考えている」と述べました。

今回の判決を受けて沖縄防衛局は「普天間基地の返還を一日も早く実現すべく、引き続き移設に向けた工事を一歩ずつ前に進めていく」というコメントを出しました。

官房長官は午後の記者会見で「判決の詳細について報告は受けておらず、裁判所の判断についてコメントは控えたい」と述べました。

そして菅官房長官は「市街地に位置し、住宅や学校に囲まれ、世界でいちばん危険と言われている普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない。これが地元の皆さんとの共通認識だ」と述べました。

そのうえで「1日も早い全面返還を実現するため、全力を尽くす考えに変わりはなく、普天間飛行場の危険除去と辺野古移設に関する政府の考え方や、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現するという取り組みを丁寧に説明し、地元の理解と協力を得られるよう粘り強く取り組んでいきたい」と述べ、辺野古への移設工事は予定どおり進める考えを示しました。