【格安スマホ 災害対応に差】
— BLOGOS編集部 (@ld_blogos) 2019年10月23日
"最大手である楽天モバイルは、現状、他の企業も一般的に行っている「支払い期日の延長措置」以外の支援を打ち出していない。トップページについても、ごく小さくリンクが張られているだけで、大手事業者ほど目立たない。"https://t.co/I0ecQ25dhZ
だが、地域や人によっては、10月12日から13日にかけて、通信が遅くなったり滞ったりした場合があるという。普段よりも多くの人が使うので当然なのだが、問題はそうしたことが「格安SIM」などと呼ばれることの多い、MVNO(仮想移動体通信事業者)で多く発生していたことだ。決して深刻なものではなかったようだが、SNSなどで確認する限り、いくつかのMVNOで12日夜に「通信が遅くなった」人がいたようだ。それに対し、NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンクといった大手3社では、そうした話はなかった。もちろん、すべてのMVNOで通信速度が落ちたわけではないし、場所によっても大きく異なる。
このような状況が起きるのは当然だ。MVNOは、大手3社(MNO、移動体通信事業者と呼ばれる)から携帯電話回線を借り受け、自社ブランドで再販する事業だ。ユーザー数に合わせて借りる量を抑え、1人あたりの通信回線利用量をコントロールすることで低廉なサービスを提供している。そのため、急な通信量の増大には弱い。MVNOは日中や都市部などで「通信が遅い」と言われるが、それと同じ現象が起きる。日中ならば「安いからしょうがない」とも思えるが、災害時のライフラインだと考えた時、「通じづらい」ことを許容できるだろうか。
問題は「ちょっと通じづらい」だけに留まらない、ということだ。
現在は、大規模災害時の安否確認のために「災害用伝言板」が用意されるようになった。これらはあくまで「回線を持つ通信事業者」が用意するものであるため、MVNOは用意する義務を負わない。また、回線故障や大規模な通信量増大による障害も、「回線を持つ通信事業者」がまず告知するものなので、MVNOが前面にでることはない。
結果としてMVNOからは、「災害時でも災害状況や対策に関する告知など」がほとんど行われない。
ただし、どの「格安SIM」も災害対策が弱いか、というと、そうではない点に留意していただきたい。
ソフトバンク傘下の「ワイモバイル」やKDDI傘下の「UQモバイル」は、大手に準ずる災害対策を提供している。また、mineoやIIJmioなどは、毎回独自に、被災者対策を素早く展開している。ちなみに、この2社はMVNOの中でも、通信速度や技術対策の面で定評がある企業である。災害直後には対応できないものの、しばらく経ってから対応を発表する企業もある。
一方、最大手である楽天モバイルは、現状、他の企業も一般的に行っている「支払い期日の延長措置」以外の支援を打ち出していない。トップページについても、ごく小さくリンクが張られているだけで、大手事業者ほど目立たない。