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『字源』(簡野道明)とは別物。

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360度開く角川書店漢和辞典「新字源」の使い心地は?

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漢和辞典をはじめて使ったのは、『新字源』だったと思います。高校生の時のことです。大学入学後、一般教養の授業で『新字源』のもうひとりの編者である西田太一郎先生の講義も受けたことがあり、その後中国文学の道に進んでからは、いつもカバンの中に、この辞書が入っていました。

当時は、東洋史・中国文学・中国哲学・仏教学、何を学ぶにしても、『新字源』がなければどうしようもなかった。

たとえば漢和辞典というものを、「漢文を読むための辞書」という位置付けで考えてみれば、漢文そのものは閉じている世界ですから、大きなリニューアルを施す必要はありません。『論語』の新しい写本が出てくることなど、ほとんどありえませんし、漢和辞典が扱う文献は、ほぼ変わらない。日本でも千数百年の伝統を持つ研究領域であり、この数十年でドラスティックに解釈が変わるというものでもありません。では、何をリニューアルするのか。コンピュータや携帯電話など現代のテクノロジーの発達により、一般の人たちも、それに応じてたくさんの漢字かなまじり文を書く時代になりました。伝統的な漢和辞典が、そうした状況にどう対応するのか。ここが今回の改訂の最大の課題だったと思います。

やはり一番気を遣ったのは、現在の日本において、漢和辞典というものをどう打ち出していくかという点についてです。たとえば江戸末期から明治の頃であれば、ほとんどの知識人が漢文を勉強していたわけです。夏目漱石にせよ森鴎外にせよ、しっかりした漢文の素養を持っていた。多くの国民にとっても、「学問=漢文の講読」という位置づけだったと思います。そういう時代に、漢和辞典を作って売っていくのはそんなに難しくはない。漢文の勉強をしようとすれば、誰もが必ず一冊買わなければいけませんからね。一般の方と漢文の関係性が薄れた今の時代だからこそ、漢和辞典を作るのが難しい、売るのが難しいんです。

我々は、単に字数を増やすということに意味を感じていません。むしろ重要なのは、絶対に必要な漢字について、より過不足のない情報を盛り込むことです。いたずらに字数を増やすのは、学習用あるいは言語を考えるための辞書がすべきことではない。

振り返ってみると、一九六八年に初版が刊行された時には、音訓索引は一番後ろに載っていました。漢和辞典は部首で引くもので、それがわからない時には総画で引くものだったわけです。音訓索引で引くのは邪道だという認識があったのかもしれません。しかしやがて途中の版で、音訓索引を先頭に移動させています。部首や総画で引けない人が圧倒的に増えた、あるいは読み方がわかっていたら音訓で引けばいいというニーズの高まりもあって、それに対応して変更したのです。そこで既に検索に対する便宜は図られていました。では、今の時代に応じて、さらに便利な検索の方法があるのかどうか。

部首索引に関しては、いろいろな試行錯誤があり、実際に新しい試みをしている辞書も見られます。たとえば「與」という字がありますね。今の子どもたちは、この字では引けない。どうしたって「与」からしか引けません。そういった引きにくい部首に対しては、『新字源』でも本来のページに誘導する欄を設けていたりします。現在の中高生にはこうした親切さが必要でしょう。ただ、その上で専門家の立場からいえば、やがて大学に入って、中国の古典、歴史、哲学、仏教、いわゆる伝統的な漢文の世界の研究に入っていく人たちが、少なからずいるわけですね。京都大学だって、一学年に三十人ぐらいはいる。彼らはいずれ『康煕字典』に象徴される伝統的な漢字の検索方法に直面することになります。部首検索に慣れていないと、その時にとまどうことになる。そうした人たちに対しても、我々は目配りしなければならない。そこが漢和辞典を作る時の難しいところだと思います。

私は若い頃から部首法に慣れていましたから、自然と使っていたので、まずは辞書に親しんでくださいとしかいいようがないんですけれども、学生時代の後輩から聞いたエピソードをひとつ紹介します。その子は運動部のマネージャーをしていて、コンパで、ある漢字が話題になったといいます。元々どういう意味なのかと、部員の男子が侃々諤々の議論になった。それを聞いていた彼女は、某有名ブランドのバッグから『新字源』を取り出して、すぐに調べて答えた。周りの男子はみんなびっくりしていたそうです(笑)。我々は、常に『新字源』持ち歩き、朝から晩まで引いていた経験を持っています。だから、やはり漢和辞典を引くことに、まずは慣れて欲しい。

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