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ベルリンの壁の崩壊から30年となった9日、東西ベルリンの分断と統一の両方を象徴するブランデンブルク門前の広場ではシュタインマイヤー大統領やメルケル首相が参加して記念のイベントが開かれました。

この中で、シュタインマイヤー大統領は、「多くの犠牲者を出した非人道的な壁はもうない。しかし、ドイツ社会には怒りや憎しみ、疎外による『新たな壁』ができた。取り壊せるのは私たちだけだ」と述べて、ドイツ社会の分断を乗り越えようと訴えました。

このあと特設ステージでは、ベートーベンの交響曲第5番「運命」が演奏され、訪れた人たちは熱心に耳を傾けていました。

イベントに参加した男性は、「ドイツ統一後もいろんな問題がありますが、私たちは克服し、20年後、25年後もここで壁の崩壊を祝いたいと思います」と話していました。

ドイツ各地ではこのほか、東西市民による対話の集会やアート作品の展示などの催しが10日まで行われています。

ドイツのベルリンの壁が崩壊した当時、旧ソビエトの最高指導者だったゴルバチョフ元大統領は、壁の崩壊から30年に合わせて、ドイツの有力誌シュピーゲルのインタビューにこたえ、「ドイツ人は自分の国の運命をみずから決める必要があった。私に必要だったことは暴力を除くことだった」と述べて、当時、壁の周辺に集まった東ドイツの人々に対して、武力で排除するなどといった事態とならないよう配慮したことを振り返りました。

そして、ゴルバチョフ元大統領は、「冷戦時代を懐かしむようなことがあってはならず、当時の状況に戻ってはならない」と述べて、現在、ロシアと欧米が対立を深めている状況について、危機感を示しました。

そのうえで、「信頼回復のためには辛抱強く対話を続けていくことが必要だ。そのためにも核軍縮の問題は取り組まなければならない」と述べて、再来年に期限を迎える米ロ間の核軍縮条約新STARTを延長する必要性を訴えました。

アメリカのトランプ大統領は9日声明を出し、「1989年のこの日、抑圧と失敗した社会主義の象徴として四半世紀以上も存在していた壁を崩壊させるために東ドイツ、西ドイツ双方の勇気ある男女が団結した」と振り返りました。

そして「東西冷戦から長い年月が経過したが、世界中の専制的な政権はソビエト式の全体主義による抑圧的な手法を用い続けている」と批判し、抑圧的な統治を続ける国々に対し同盟国などとともに対抗していく構えを示しました。

そのうえでドイツを「最も貴重な同盟国の1つ」と呼んで、今後も連携していくと強調しました。

ドイツの市民グループトランプ大統領に贈るために準備したのは、実物のベルリンの壁の一部で、重さは2.7トンあります。

壁には英語で、「アメリカはベルリンの壁崩壊にむけて重要な役割を果たしました。壁のない世界の実現へのアメリカの貢献をたたえるためベルリンの壁の一部を贈ります。ベルリン市民より」などとトランプ大統領へのメッセージが書かれています。

この壁は、ベルリンの壁が崩壊して30年の節目に合わせて、9日、トレーラーで運ばれてアメリカの首都ワシントンのホワイトハウスの前に到着しました。

しかしシークレット・サービスに止められたことから、一行はトランプ大統領に壁を届けることなくその場をあとにしました。

市民グループの代表は、「私たちの社会や心の中に存在する壁をなくしたいというメッセージを込めた。アメリカが当時、壁をなくすための闘いの最前線にいたということを、トランプ大統領アメリカ国民に思い出してもらいたい」と話し、国際社会で自由や民主主義を守るためのアメリカの役割に期待を示しました。

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