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11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党が3日、中西部アイオワ州で開いた党員集会は、集計システムのトラブルから結果の取りまとめが大幅に遅れていましたが、4日午後、中間の集計結果が初めて発表されました。

AP通信によりますと、集計率62%で、中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長が26.9%、左派のサンダース上院議員が25.1%、同じく左派のウォーレン上院議員が18.3%、中道派のバイデン前副大統領が15.6%で、38歳と11人の候補者の中で最年少のブティジェッジ氏が2位のサンダース氏を1.8ポイント上回り、首位に立っています。

ブティジェッジ氏は4日、候補者選びの次の舞台となるニューハンプシャー州で演説し、アイオワ州での勝利に自信を示したうえで、有権者にさらなる支持を呼びかけました。

一方、全米で支持率トップを走るバイデン氏が4位と出遅れていることについてアメリカのメディアからは「驚きだ」という声も上がっています。

ただ、残りの集計結果によっては今後、順位が入れ代わる可能性もあり、アイオワ州の選挙結果は今後の候補者選びの行方を大きく左右するとされるだけに、その勝敗の行方に引き続き高い関心が集まっています。

ブティジェッジ前サウスベンド市長は4日、候補者選びの次の舞台となるニューハンプシャー州で演説し、アイオワ州の途中の集計結果でトップに立っていることを受けて、「多くの地区の結果ではわれわれの陣営がトップに立っている」と述べ、勝利に自信を示しました。

そして「ニューハンプシャーに太陽が昇り、トランプ氏がもはやアメリカ大統領ではない状況を思い描いてほしい」と述べ、11日のニューハンプシャー州での予備選挙に向けて支持を呼びかけました。

アイオワ州の党員集会の中間の集計結果でブティジェッジ氏に次ぐ2位につけているサンダース上院議員は4日、候補者選びの次の舞台となるニューハンプシャー州で演説し、「われわれはほかのどの候補よりも多くの支持を集めた」と述べ、最終的な勝利に自信を示しました。

そのうえで「アイオワ州では集計トラブルがあったが、ニューハンプシャー州ではきっと皆さんの投票が集計されるし、そうすれば勝つことができる」と述べて、支持を呼びかけました。

アイオワ州の党員集会の一部の集計結果が発表されたことを受けて、ウォーレン上院議員ツイッターに「強力な草の根の運動を構築し、私たちが成し遂げたことを誇りに思う。アイオワでトップ3に入り、強い立場でニューハンプシャーネバダサウスカロライナ、そしてスーパーチューズデーに臨む。レッツゴー!」と書き込みました。

アイオワ州の党員集会の中間の集計結果で、4位となったバイデン前副大統領は4日、次の予備選挙が行われるニューハンプシャー州で演説し、「党員集会から24時間がたったのに、まだその結果がわからない。もしかしたら、ニューハンプシャー州が最初の投票となるかもしれない」などと、冗談交じりに述べました。

そのうえで、「ここニューハンプシャーで好調な結果を収められるかどうかが、残りの選挙戦の行方を決めることになる。皆さんにかかっている」と述べて、支持を訴えました。

アイオワ州の党員集会の中間の集計結果で5位になったクロブシャー上院議員は、4日、次の候補者選びの舞台となるニューハンプシャー州で演説し、「アイオワ州の結果はまだ出ていないが、われわれの成し遂げた仕事を誇りに思う。多くの人は、私がここまで来られるとは思っていなかったが、5位に入った」と述べ、下馬評を覆し上位の4人に迫る支持を得たことに手応えを示しました。

アイオワ州の党員集会の中間の集計結果でバイデン前副大統領が4位となっていることを受けて、トランプ大統領の陣営が声明を発表し、「バイデン前副大統領はアイオワ州で勝利すると何度も話していたが、ドラムをたたくようにたたきのめされた。頭のおかしな社会主義者と小さな街の前市長につぶされた」と中傷しました。

さらにトランプ陣営は過去にバイデン氏が「アイオワで勝利する」と発言した映像を編集してネットに公表するなど、バイデン氏を集中的に攻撃しています。

バイデン前副大統領は去年10月に有力紙、ワシントン・ポストに寄稿し、「11月の大統領選挙ではトランプ大統領をドラムをたたくようにたたきのめす」と宣言していました。

#米大統領

トランプ大統領は4日夜、今後1年の施政方針を示す一般教書演説を行いました。

政権4年目となる、ことしの演説のテーマは「偉大なアメリカの再起」で、トランプ大統領は「われわれはたった3年間でアメリカの衰退を打ち砕き、少し前には想像できなかった速度で前進している。決して後戻りすることはない」と訴えました。

さらに、みずからの力で経済を復活させたとして好調な雇用環境を強調し、中国との貿易交渉で第1段階の合意に達したことをアピールしたほか、選挙で重要な争点となっている教育政策や、医療保険制度の充実も打ち出して労働者層に訴えかけました。

外交・安全保障面では過激派組織IS=イスラミックステートの指導者の死亡や、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害を成果だと強調したうえで、中東からアメリカ軍の撤退を目指す考えを示しました。

演説は、内政や外交・安全保障で、みずからの実績を最大限にアピールし、内向きな姿勢が色濃く反映されたものとなりました。

ウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判などで、野党・民主党との対立が深まる中、11月の大統領選挙での再選に向けて、国民に前向きなメッセージを打ち出して、幅広い支持を訴えたい思惑があるとみられます。

一方、民主党をあからさまに批判することはありませんでしたが、「社会主義アメリカの医療保険制度を破壊させない」と述べるなど暗に批判する場面もありました。

また、民主党の一部の議員が弾劾裁判が続いていることを理由に、演説への出席をボイコットしたほか、演説の直後、民主党ペロシ下院議長がトランプ大統領の後ろで演説の原稿を破り捨てるなど、トランプ大統領民主党との深刻な対立が随所で浮き彫りとなりました。

トランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染が続いていることについて「アメリカ人の健康を守ることは感染病と闘うことでもある。われわれは、この脅威から国民を守るため、できるかぎりの措置をとる」と述べました。

トランプ大統領は「アメリカの自由を守るために、私たちは米軍に2.2兆ドルという記録的な投資をして、最高の航空機やミサイルなどあらゆる軍事装備を購入した。これらはすべてアメリカ製だ」と主張しました。

また「同盟国に公平な分担を支払わせ、NATOのメンバーから400億ドル以上の貢献を引き出して、最低限の義務を果たす同盟国は倍以上になった」と主張しました。

さらに「宇宙軍という新たな組織を創設した」と述べて、成果として強調しました。

トランプ大統領が一般教書演説を終えた直後、民主党ペロシ下院議長はトランプ大統領の後ろで演説の原稿を破り捨てました。

ペロシ議長は、トランプ大統領の演説中も時折、拍手をする一方で、ぶ然とした表情を浮かべていました。

これに先立ってトランプ大統領は演説の前に本会議場に入った際にペロシ議長の握手には応じず、弾劾裁判をめぐるトランプ大統領民主党との深刻な対立をうかがわせました。

トランプ大統領の一般教書演説に対し、野党・民主党は中西部のミシガン州のホイットマー知事が4日夜、反対演説を行いました。

この中で、ホイットマー知事はトランプ大統領アメリカ経済は好調だと強調したことについて「必要のない減税で金持ちが私腹を肥やしているが、アメリカはもっと違う意味で豊かにならなければならない。実際、多くの人は月々の支払いがままならないような仕事にしかついていない」などと批判しました。

そのうえで、「民主党が多数を占める下院では、3000万人のアメリカ国民の最低賃金を引き上げるための法案を可決した。人々を貧困から救い出し、生活をよくしようとしている」と述べて、アメリカ経済を本当の意味で回復させようとしているのは、民主党だとアピールしました。

中西部のミシガン州民主党の地盤でありながら、4年前の大統領選挙でトランプ氏が勝利した州で、民主党がホイットマー州知事を反対演説に選んだ背景には、従来の地盤を奪い返したいというねらいがあるものとみられます。

民主党ペロシ下院議長をはじめ、多くの民主党の女性議員は上下白い服を着て出席しました。

これは20世紀初めにアメリカ国内で起きた、女性の参政権運動の象徴が白い服だったことに由来していて、一般教書演説で白い服を着ることで男女平等を訴えました。

また、女性を見下す発言でたびたび批判されるトランプ大統領に、屈することはないという強いメッセージを出したものでもあります。

民主党の女性議員は去年も白い服を着て出席しましたが、2018年にはセクハラや性暴力を告発する「#MeToo」運動への連帯を示すため、黒い服を着て出席し、話題となりました。

一般教書演説が行われる議会下院の本会議場には、毎回、大統領が特別なゲストを招き、傍聴席でファーストレディーとともに大統領の演説を聴くのが慣例となっています。

ことしの特別ゲストには、南米のベネズエラで反マドゥーロ政権を訴え、暫定大統領に就任した、親米のグアイド国会議長が招待されました。

このほか、過激派組織IS=イスラミックステートの指導者バグダディ容疑者に殺害され、軍事作戦の名前にもなった娘の両親が招かれたほか、イラクに従軍中に、イランによる攻撃で亡くなったとされるアメリカ軍兵士の遺族が招かれていて、トランプ大統領としては、バグダディ容疑者やイランの革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害を肯定するとともに軍の最高司令官としての手腕をアピールするねらいがあるものとみられます。

また、メキシコとの国境沿いでパトロールにあたる国境警備隊の男性や、不法移民によって殺害された男性の遺族も招かれていて、トランプ大統領は、みずからの支持者を意識して、不法移民の取締りを強化する姿勢を改めて示しました。

そしてことしのゲストには、元路上生活者で、トランプ大統領の税制改革の恩恵を受けて就職することができたという黒人男性など白人以外の人種やシングルマザーとして働く女性の姿もありました。

ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けて、いわゆる「岩盤支持層」以外にも支持を広げるねらいがあるものとみられます。