https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、イギリス議会では22日、テレビ会議の形式による初めての審議が行われ、療養中のジョンソン首相に代わってラーブ外相が議員からの質問に答えました。

これまでは議場に隙間なく議員が座り審議に参加していましたが、今回から議場に入れるのは50人までに限定され、そのほかの議員は最大で120人テレビ会議システムを使って参加することになっています。

議場には複数のスクリーンが設置され、ラーブ外相はスクリーンに映し出された議員からの質問に答えていました。

イギリス議会では通常、集まった議員から激しいやじがとばされますが、この日は静かな議場に質問や答弁の声が響くこれまでにはない光景がみられました。

自宅から参加した議員のひとりはツイッターに、子どもをあやしながらパソコンに向き合っている写真とともに「デジタル議会は大変だ」などと投稿していました。

こうした措置はおよそ700年の歴史でも初めてで、イギリス議会では今後、遠隔で採決を行うやり方なども検討していくことにしています。

イギリスでは先月23日、新型コロナウイルスの感染拡大をおさえるためとしてジョンソン首相が、罰金もともなう厳しい外出制限の措置を発表しました。

1か月がすぎ政府は、感染拡大のピークはこえたという見方を示していますが、亡くなる感染者は増え続け、これまでに1万8000人をこえています。

外出制限によって企業活動にも甚大な影響が広がっていて、統計局が先週発表した企業を対象にした調査では、回答した5000社余りのうち、4分の1が事業を停止し、ビジネスを続けていても売り上げが減少している企業が多くを占めています。

今月から6月までの第2四半期には、GDP=国内総生産マイナス35%に落ち込むという予測も出ています。

ビジネス界を中心に外出制限にともなう措置の緩和を求める意見も出ていますが、政府は緩和を急げばこれまでの努力がむだになるなどとして慎重な姿勢です。

政府は少なくとも来月上旬までは外出制限を続けるとしていますが今後どのように制限を緩め、市民生活や経済活動をもとの状態に戻していくのかが大きな課題となります。

外出制限が続く中、イギリス国内の飲食店は営業ができず厳しい経営状況に追い込まれていて、イギリス伝統のパブも生き残り策を必死に探っています。

サウスヨークシャーでパブを経営するクリス・ブレイさんは、クラウドファンディングで常連客らに支援を呼びかけたところ、1か月余りでおよそ1000ポンド、日本円にして13万円余りが集まりました。

「毎月の経費や生活費があり、大きな助けになっている」と話すブレイさんが、次に考えたのが営業方法の工夫です。地元にあるビールの醸造所と提携して店で提供してきたビールを瓶詰にし、先週からオンライン販売を始めたところ、100本が完売したということです。

一方、ロンドンでパブを経営しているコナー・マクロフリンさんが始めたのは、営業再開後に利用できるビールのチケットのオンライン販売です。チケット代の2倍分を利用できるということで、およそ1か月で500ポンド、日本円で6万6000円余りの売り上げがあったということです。

ただ家賃や光熱費などの経費を賄うには十分ではなく、外出制限がいつまで続くのか不安を抱えています。

さらにマクロフリンさんは「今後、人々が外で集うことを怖がるのではないかと心配している。常連客がリスクを避けて家にいるようになれば、パンデミックによる最も大きな影響だ」と話していました。

大手調査会社の「YouGov」は、今月16日から17日にかけてイギリスの2015人を対象に新型コロナウイルスの感染拡大の対策などについて世論調査を行いました。

この中で「政府が外出制限などの措置をいま、緩和し始めるのは正しいか」という質問に対し、
▼「正しい」が5%、
▼「間違っている」が88%、
▼「わからない」が7%で、現時点で措置を緩和することは適切ではないと考える人が圧倒的に多くなっています。

また「3週間後に措置を緩和するのは正しいか」という質問については、
▼「正しい」が30%、
▼「間違っている」が26%、
▼「わからない」が44%となっていて、慎重な見方がみられます。

また措置の緩和は段階的に進めていくべきだと考える人は74%にのぼっています。

調査会社は「市民は措置の緩和には非常に慎重といえる。これまでのところ、政府は、市民の理解を得ながら、厳しい措置を続けてきたが、今後、どのように緩和を進めていくかが大きな課題となるだろう」と分析しています。

d1021.hatenadiary.jp