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ヨーロッパでは、新型コロナウイルスの感染拡大によって外出や経済活動が制限された影響で、先月の新車販売台数が去年より8割近く落ち込み、日本の自動車メーカーも大きな打撃を受けています。

業界団体のまとめによりますとEU=ヨーロッパ連合の加盟国やイギリスなどをあわせたヨーロッパ市場では、先月の新車販売台数が去年の同じ月と比べて78.3%減少し、29万2182台にとどまりました。

国別では、イタリアとイギリスがいずれも97%を超える落ち込みとなったほか、フランスが88%余り、最大市場のドイツが61%余り減少しました。

日本メーカーも大きな打撃を受け、ヨーロッパ市場での先月の販売台数の減少率は、ホンダが88.5%、日産自動車が86.2%、マツダが82.6%、トヨタ自動車が79.6%、三菱自動車工業が65.9%で、三菱自動車以外は市場全体の平均を超える落ち込みとなってシェアを落とす結果になりました。

ヨーロッパでは、制限を緩和する動きが始まり、自動車の販売店も営業を再開しつつありますが、需要がもとに戻るまでにはまだ時間がかかると見込まれていて、日本メーカーにとって厳しい経営環境が続きそうです。

国の委託を受けてガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、今月18日時点のレギュラーガソリンの全国平均の小売価格は、前の週から1リットル当たり0.7円上がって125.5円となりました。

ガソリン価格が値上がりするのは16週ぶりです。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限が各国で徐々に緩和され、下落を続けていた原油価格が上昇に転じていることが要因です。

また、サウジアラビアやロシアなどの主な産油国が今月から協調して減産を行っていることも原油価格の上昇を後押ししたものとみられます。

石油情報センター原油価格の上昇で来週のガソリン価格も値上がりするとみられる。しかし、新型コロナウイルスが収束に向かうかは見通せず、今後の感染状況次第では原油価格が再び下落に転じる可能性もある」としています。

日本政府観光局によりますと、先月、日本を訪れた外国人旅行者は、推計で2900人にとどまり、去年の同じ月と比べて99.9%減りました。

外国人旅行者の統計を取り始めたのは、前回、東京でオリンピックが開催された1964年からですが、1か月間の旅行者数が1万人を下回るのは初めてで、先月は過去最少でした。

また、旅行者の減少は7か月連続で、減少率はことし3月の93%を超え過去最大です。

国や地域別の旅行者数を見ますと、韓国や台湾、アメリカが300人、中国やベトナムが200人にとどまりました。

また、ドイツやイタリア、シンガポールなどは10人未満でした。

日本政府は、感染拡大を防ぐために現在、世界100の国や地域を対象に外国人の入国を拒否しているほか、日本人を含めすべての国と地域から入国する人に対して、指定場所での2週間の待機を要請するなど引き続き、厳しい水際対策をとっています。

旅行者の大幅な落ち込みは今月以降も続く見通しで、新型コロナウイルスの感染拡大による国内経済への打撃が深刻になっています。

4月の外国人旅行者がかつてない落ち込みになった背景には、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が段階的に水際対策を強化したことがあります。

日本政府は、ことし2月に中国 湖北省に滞在歴などがある外国人の入国を拒否して以降、順次、水際対策を強化してきました。

入国拒否の対象には、
▽先月3日から、アメリカやヨーロッパのほぼ全域など49の国と地域が、
▽先月29日には、ロシアやサウジアラビアなど14か国が加わりました。
▽現在は、世界100の国と地域からの入国を拒否しています。

また、入国拒否の対象になっていないほかの国や地域からの入国者に対しては、指定場所での2週間の待機を要請しています。

こうした措置を受けて、航空各社では、大幅な運休や減便を続けています。

国土交通省によりますと、海外と日本を結ぶ国際線は、今月17日からの1週間では、160往復にとどまります。

これは、去年の夏ダイヤの1週間当たり5500往復余りと比べると30分の1以下にまで激減しています。

外国人旅行者は、去年は3188万人と7年連続で過去最高を更新し、消費額も4兆8000億円余りに拡大して地域経済の活性化にも貢献してきました。

しかし、世界的に感染拡大の収束時期が見通せないなか、観光業への影響も長期化することが懸念されています。

観光庁の田端浩長官は記者会見し「各国が水際対策を強化し、航空路線も大幅に減少している。現時点では全世界的に人の動きが全くなく失われてしまった状況だ。今回の外国人旅行者数は非常に少ない数字だ」と述べました。

そのうえで、今後の見通しについて「まずは、国内での人の移動が回復し、その後、可能なところから国際間の人の移動が始まることになるだろう。タイミングがいつになるか見通しは立てられないが、世界各国の専門家の分析などを踏まえて、海外の旅行者を受け入れる再スタートについて見極めていきたい」と述べました。

感染拡大を防止するために厳しい入国制限を続けているのは各国も同じで、人の移動が極端に減るなか、苦境に立たされているのが世界の航空会社です。

オーストラリアのヴァージン・オーストラリアに続き、19日、東南アジアを代表する航空会社タイ国際航空も事実上、経営破たんしました。

人員削減に踏み切る動きも相次いでいます。

イギリスのブリティッシュ・エアウェイズが最大1万2000人の従業員を削減する方針を明らかにしているほか、北欧のスカンジナビア航空は最大5000人、ヨーロッパのLCC大手ライアンエアも最大3000人を対象に人員削減の検討をしています。

航空会社を取り巻く厳しい環境は長期化する見通しです。

世界の航空会社が加盟するIATA=国際航空運送協会によりますと、ことし1年間の国際線と国内線を合わせた各国の航空会社の旅客数は去年よりも48%減り、旅客収入は55%減少する見通しです。

さらに、外国での感染や隔離措置への不安が今後も続くとして、国際線の需要が去年の水準にまで回復するのは、4年後の2024年になるという見通しを示しています。

国内の航空大手でも、ANAホールディングスと日本航空は、今年度の業績予想について、感染拡大の影響を見極められないため「未定」としています。

旅行者が激減する中、外国人旅行者のガイドを行っている通訳案内士は、収入がなくなり、この先、仕事を続けていけるのか不安の声が上がっています。

通訳案内士は正式には「全国通訳案内士」という国家資格を持った観光ガイドで、外国人旅行者の通訳をしながら各地を案内します。
全国に2万6000人余りいます。

その一人、八重樫礼子さんは、もともとホテルのスタッフとして働いていましたが、外国人に日本の魅力を直接、伝えたいという思いが強くなり、6年前に会社を辞め専業の通訳案内士になりました。

旅行会社などから外国人旅行者のガイドを請け負い、フランス語や英語で日本各地を案内しています。

寺と神社の違いなど日本の歴史や文化について、独自にまとめた資料を使った案内が人気で、花見シーズンなどにはほぼ毎日、ガイドの仕事が入っていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府が入国を制限する国の対象を拡大したことから3月下旬以降、入っていた仕事のキャンセルが相次ぎ、失った収入は150万円ほどに上ります。

八重樫さんは現在、自宅でガイドで使う資料を作るなどして過ごしていますが、収入がない状況が続く中、通訳案内士としての仕事を続けていけなくなるのではないかと不安に思っています。

八重樫さんは「インバウンドが本格的に戻るのは半年先なのか、1年先なのか、もっと先なのか、ゴールが見えない不安がある。この状況が続けば、多くの方が仕事を辞めてしまうのではないか」と話しています。

通訳案内士は、今回の事態の収束後に再び外国人旅行者を呼び込む際には欠かせない存在なだけに、それまでの間、どのように支えていくのかが課題となります。

先月、日本を訪れた外国人旅行者が去年の同じ月と比べて、99.9%減少したことについて、日本商工会議所の三村会頭は20日の記者会見で、観光や交通などインバウンド関連への影響が数年に及ぶことを想定して、今後、長期的な視点で支援策を検討すべきだとの考えを示しました。

この中で、三村会頭は先月の外国人旅行者が激減したことについて「世界全体の新型コロナウイルスの感染状況を見ると、インバウンドの回復は相当程度遅れるのではないかと非常に心配している。観光や交通に関連する企業への影響は非常に長引くと予想され、地域別で見ても、インバウンドで成り立っている北海道などの影響は甚大だ」と述べました。

そのうえで、三村会頭は「この状況が一時的ではなく、数年に及ぶことを考えると、どうやって手を差し伸べたらいいのか。当面は倒産しないように資金をつなぐと言うことだが、今後どうすべきかは関係者みんなで考えなければいけない話だ」と述べ、今後、長期的な視点で支援策を検討すべきだとの考えを示しました。

#アウトドア#交通