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日本が参加して月を探査する「アルテミス計画」を視野に、宇宙空間で活動する際の原則などを定めた国際的な合意の署名式が行われ、井上科学技術担当大臣は、将来の国際ルールづくりに向けた指針になることに期待を示しました。

署名式は、日本時間の14日未明にオンラインで行われ、アメリカの呼びかけで、日本やカナダ、イギリスなど、合わせて8か国が参加しました。

今回の合意は、日本が参加して月を探査する国際的なプロジェクト「アルテミス計画」を視野に、宇宙空間で活動する際の原則などを定めたもので、平和目的での活動や透明性の確保を求めているほか、宇宙資源の採取や利用の在り方も盛り込まれています。

内閣府によりますと、今回の合意に法的な拘束力はないものの、日本にとっては、月探査などの活動に関する初めての国際的な枠組みになるということです。

署名式で、宇宙政策を担当する井上科学技術担当大臣は「この合意で定められる諸原則は 将来の宇宙活動に関する国際ルールづくりにとって、大きな指針になると期待している。国際的パートナーの皆様との協力を楽しみにしている」と述べました。

今回の合意の背景には、国際的なルールの枠組みを作ることで、国や企業による月での探査や資源利用の環境を整備し、後押しするねらいがあります。

月にあると予想されている水は、飲料水として利用できるほか、分解することで得られる水素も資源として活用することが期待されていて、アメリカや中国、それに日本など各国が探査計画を打ち出しています。

一方で、国際的な取り決めはないため、計画を進めている国などの間でトラブルが起きることが懸念されていました。

そこで、今回の合意では各国が自由に資源の採取や利用を行う権利があるとしながらも、他国の人や機器に干渉せずに安全に宇宙開発を続けることを求めています。

また、これまでの活動の痕跡を保全する項目があり、1970年前後に行われた「アポロ計画」で残されているアメリカ人宇宙飛行士の足跡や着陸船の一部などをアメリカは歴史的な遺産として保全するねらいがあるとみられます。

さらに、平和目的に実施することのほか、各国の宇宙政策や意図を共有し透明性を確保することも盛り込まれています。

今回は日本やアメリカ、それにヨーロッパの国などでの合意ですが、主導したアメリカにとっては、月探査も含めて独自の宇宙開発を進める中国をけん制するねらいがあるとみられます。