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韓国のムン・ジェイン政権は、脱北者団体が、ことし5月に、キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長を批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばし、これに対して北朝鮮が反発したことを受けて、こうした行為を厳しく取り締まる方針を示していました。

韓国の国会では、14日夜、ムン政権を支える与党の賛成多数で、南北関係発展に関する法律の改正案が可決されました。

それによりますと、南北の軍事境界線の付近で、拡声機による放送を行うことや、ビラを飛ばすことなどが禁止され、違反した場合には、3年以下の懲役または3000万ウォン、日本円にしておよそ290万円以下の罰金を科すとしています。

南北関係の改善を目指すムン政権側は、軍事境界線に近い地域の住民の安全を守るためだとしていますが、野党や人権団体などからは表現の自由の侵害だという批判が出ています。

また、これに先立ち、国会では、13日、北朝鮮のスパイ活動に関する捜査の権限を、情報機関の国家情報院から警察に移管するための法律の改正案も可決されていて、情報収集の能力が低下するのではないかとの懸念の声もあがっています。

韓国では、ムン・ジェイン政権をめぐる疑惑の捜査を指揮してきた検察トップのユン・ソギョル(尹錫悦)検事総長と、ムン大統領から検察改革を託されたチュ・ミエ(秋美愛)法相との対立が深まっています。

チュ法相は11月、監察妨害などを理由に、ユン検事総長懲戒請求に踏み切り、これを受けて韓国法務省は15日午前10時半ごろから、12月10日に続いて2回目となる懲戒委員会を非公開で開いています。

審議では、検事総長側が求めた証人の審問や弁護人の意見陳述などを経て懲戒委員による議決が行われる見通しで、韓国の主要メディアは、重い懲戒処分を決める可能性が高いという見方を伝えています。

ムン大統領は、権限が強すぎると指摘されてきた検察の改革を優先課題の1つに掲げており、検察に代わって政府高官などの不正を捜査する独立機関を、年明けにも新設する方針です。

ムン政権としては、不動産価格の高騰に加え、法相と検事総長の対立による国政の混乱で、支持率が就任以来最低の30%台となる中、国政の混乱を収拾し検察改革の実現を急ぎたい考えです。

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