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今回の資本提携は、楽天サイドから持ち掛けたといわれています。楽天はネット通販や金融などの事業は好調ですが、’20年からドコモ、auソフトバンクに次ぐ“第4のキャリア”になった通信事業では、苦戦を強いられています。

まず、自前の通信網を構築するための基地局設置が難航しています。資金面に加え、設置場所の確保も順調とはいえないようです。

また、大手3社が20GBプランで値下げを打ち出したことも、低価格が売りの楽天には逆風でした。楽天は「1GBまで通信料無料」などとプランを見直しましたが、厳しい闘いが続いています。

楽天にとって今回の提携は、資金面以外にも得るものは大きいと思います。全国に郵便局は約2万4,000局あります。そこに基地局を設置していけば、楽天エリア拡大の足掛かりになりますし、楽天モバイルのブースを作れば、郵便局をよく利用する高齢者にもアピールできるでしょう。

いっぽう日本郵政は、全国どこでも同一料金の郵便事業が、赤字の温床でした。これまでゆうちょ銀行やかんぽ生命の利益で補填していましたが、昨年の不祥事で相当厳しい状態です。楽天が行うネット通販の物流業務を引き受けることで、業績を伸ばすことができるでしょう。また、楽天基地局を設置することで、設置料など安定収入にもつながります。

つまり、今回の提携はお互いのニーズを補い合ういいものと考える人が多いです。その証拠に、提携発表後、両社の株価が上昇。特に楽天は、15日に5年3カ月ぶりの高値を付けました。

とはいえ、不安材料もあります。1つは、かんぽ生命の不正勧誘で発覚したきついノルマやブラック企業体質が残っているのではないかということ。楽天モバイル関連の業務が、郵便局員の新たな負荷とならなければよいのですが。

もう1つは、今回、楽天資本提携したのは日本郵政だけではなく、中国ネット大手のテンセントも名を連ねます。テンセントと言えば、アメリカのトランプ政権末期に、個人情報の収集疑惑が取りざたされた企業です。日本郵政楽天が持つ膨大な個人情報が危険にさらされないかが心配です。

いずれにせよ、日本郵政は民間企業と資本提携し、営利を追求する株式会社です。「郵便局だから安心」と手放しで信用するのは危険だと心しておきましょう。

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