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国連が14日に発表した報告書によりますと、アフガニスタンで、先月末までの3か月間に戦闘やテロに巻き込まれ死亡した民間人は573人、けがをした人は1210人であわせて1783人にのぼりました。

前の年の同じ時期よりおよそ30%増えています。

死傷者の43.5%は反政府武装勢力タリバンによるテロや攻撃、25%は政府側の軍事作戦の巻き添えによるもので、子どもが全体の3分の1以上にのぼります。

アフガニスタンをめぐっては、去年9月から政府とタリバンによる停戦に向けた協議が続いていますが、条件面で対立して進んでいません。

こうしたなか、アメリカのバイデン政権は、ことし9月11日までに現地に駐留するアメリカ軍を完全撤退させる方針を明らかにしました。

治安の回復が課題となる中、国連は、戦闘の速やかな停止と民間人の保護を呼びかけています。

バイデン大統領は14日、ホワイトハウスで演説を行いました。

この中でアフガニスタンアメリカに対する攻撃の拠点に二度とさせないという目的は達成された」と述べ、2001年に発生した同時多発テロ事件の首謀者、オサマ・ビンラディン容疑者を殺害したことなどで軍事作戦の目的はすでに達成されていると強調しました。

そのうえでアメリカの最も長い戦争を終わらせる時だ」と述べ、ことし9月11日までにアフガニスタンに駐留するアメリカ軍を完全に撤退させると正式に表明しました。

アメリカは同時多発テロ事件をきっかけにアフガニスタンでの軍事作戦に乗りだし、ピーク時には10万人規模の部隊を駐留させていました。

トランプ前政権は去年2月、反政府武装勢力タリバン来月1日までの軍の完全撤退を含む和平合意を結びましたが、現地で戦闘やテロが続くなか、バイデン大統領は期限内の撤退完了は難しいという考えを示していました。

演説でバイデン大統領は「5月1日から最終的な撤退を開始する」と述べ合意には反していないと強調しましたが、タリバン側は和平合意に盛り込まれた完全撤退の期限が4か月余り延期されたことに反発していて、現地では治安のさらなる悪化も懸念されています。

アメリカのバイデン政権が、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍をことし9月11日までに完全撤退させると決めたことについて、アフガニスタンのガニ大統領は、14日、ツイッターに投稿し、「バイデン大統領と電話で会談し アメリカが9月上旬までにアフガニスタンから軍を撤退させるという決定について議論した。われわれは、アメリカの決定を尊重し、円滑な移行を確かなものにするために連携を進めていく。アフガニスタンの治安部隊は国民と国を守るのに十分な能力をもっている」と述べました。

アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンの報道担当者は14日、ツイッターに投稿し「われわれは、和平合意の中で示された期日にすべての外国の部隊が、撤退することを求めている。和平合意に反して、外国の部隊が撤退しなければ、問題は悪化し、合意を順守しなかった者が責任を問われるだろう」と述べました。

タリバンは、先月出した声明でアメリカ軍が和平合意で定めた撤退の期限を守らなければ、再び攻撃を仕掛けると示唆しており、アメリカ側に対して期限となる来月1日までに軍を完全撤退させるよう、改めて求めたものとみられます。

アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官は14日、議会上院の公聴会で証言し「長期にわたりテロ対策で圧力をかけ続けた結果、アフガニスタンにおいてアルカイダや過激派組織IS=イスラミックステートがアメリカを標的に攻撃する能力を再び獲得することはない」と分析しました。

そしてアラビア半島のアルカイダなどほかの地域のテロ組織こそ、より深刻な脅威となっている」と述べて、脅威は、ほかの地域に移っているという認識を示しました。

その一方でバーンズ長官はアメリカ軍が撤退すれば、アメリカ政府の情報収集や脅威に対処する能力は低下する」と認め、ほかの関係機関と協力しながら脅威に全力で対処していく考えを示しました。

アメリカがことし9月11日までにアフガニスタンに駐留する軍を完全に撤退させると表明したことを受けて、NATO北大西洋条約機構は14日、臨時の閣僚会議を開き、アメリカの撤退に合わせて他の加盟国の部隊も撤退させることを決めました。

NATO主導の国際部隊はアメリカを除くと35か国の7000人余りがアフガニスタンに駐留していて、5月1日までに撤退を開始し、その後、数か月かけて完全に撤退させるとしています。

会議後の記者会見でNATOのストルテンベルグ事務総長は「部隊は撤退するがアフガニスタンとその国民への支援は続ける」と述べ、撤退が治安の悪化を招かないよう警戒を続ける考えを示しました。

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