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河西 私は、こんな論文調の文書が出てくるとは夢にも思いませんでしたね。正直な感想を言うと、学生の出来の悪いレポートを読まされた印象があります。私は象徴天皇制の研究をしているので、皇族が書かれた文章や記者会見の文章を読みますけれど、それに比べると「うーむ」という感じ。本文の前に「概要」が4ページもあってけっこう長い(笑)。もう、そこで挫折しそうになりました。さらに脚注が13ページもあるから、とにかく読みづらい。

片山 裁判の上申書のような印象ですね。私は思想史の研究をしていて裁判記録をよく読むんですが、この文書はそれによく似ている。

山口 私もそういえば、法律家の卵だった時に、背伸びしてこういう文章を書いたことがありました(笑)。一流の法律家を目指すなら、全体のストーリーや言い回しを含めて、改善の余地はありますが。

江森 大切なのは中身です。文書には、「私と眞子様の気持ち、そして結婚に対する思いに変わりはありません」とあります。しかし、残念ながら、文書公表後、世間の祝福ムードは高まっていません。

河西 要するに、これは「国民に向けての文章」ではないんですよ。国民にわかってもらおうとする文書ではない。

片山 この文書をステップにして金銭トラブルを解決したい、そして秋篠宮さまや宮内庁に結婚を認めてもらいたいというのがある。だから言質を取られない形で最大限弁明し、何もツッコまれない内容にしておきたい。何かを「伝える」文章ではなく、「守り」の文章だと。叩かれることを恐れている人間だったら、私でも同じように書くかもしれない。あまり好きな文章ではないですけど。

江森 経緯を振り返ると、眞子さまと小室圭さんの婚約が内定したのは2017年9月です。同年末に小室さんの母親と元婚約者の間に約400万円の金銭トラブルがあったと報じられました。秋篠宮さまは、2018年11月の誕生日会見で、「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」にならなければ、婚約にあたる「納采の儀」は行えないと話しました。つまり、秋篠宮さまは、ずっと金銭トラブルの解決を求めてきました。

河西 だからこの文書では、小室さんがこの間何もしていなかったわけではなく、いつ元婚約者の方に連絡したか、いつ話し合いの場を持ったかなどが丁寧に説明されていたので、経過はよくわかりました。

山口 今回文書を出した目的として、「金銭トラブルと言われている事柄に関する誤った情報をできる範囲で訂正する」と書かれています。私はここにまず、「アレ?」と思いました。日本の国民の多くは、眞子さまのお相手に、正しさよりも優しさを、そしてコミュニティの常識を共有していることを期待していたのだと思うんです。

 それなのに、小室さんの文書は「僕は優秀なんだ、こんな反論もできるんだ」と徹頭徹尾、自分の正しさを訴えている。

片山 繰り返し「借金を踏み倒した事実はない」と訴えていますね。解決金を払ったらどうかという意見に対しても、解決金を払ってしまうと、「私や母は借金を踏み倒そうとしていた人間だったのだということになります」とかなり強い調子で反論している。「これは、将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します」というわけですが、将来の家族とは眞子さまですね。眞子さまの名誉のためにもお金を返さないと言われても……。

河西「切実に名誉の問題」とも書いています。でも、国民が知りたかったのはそこではない。少なくとも小室家が家計の苦しい時に元婚約者から400万円の提供を受けたのは事実なわけです。はじめに元婚約者の方に対する感謝の気持ちが一言でも書いてあれば、その後の説明の受け止め方も変わると思うのですが、その一言がないんです。

江森 通して読んでも、小室さんの感謝の気持ち、誠意が伝わってきません。

江森 主張を繰り返すだけでは、金銭トラブルの解決にはなかなか繋がらないと思っていました。そこへ、文書を出して4日後、今度は解決金を元婚約者に支払う意向だ、と小室さんの代理人弁護士が明らかにしました。小室さんの対応はちぐはぐな感じがします。

河西 あれ、名誉の問題はどうなったの? と思いましたね。今回の文書で私が変だと思ったのは、一昨年1月に公表した文書に触れ、「(金銭トラブルを)『解決済みの事柄であると理解してまいりました』という表現は、現在完了形ではなく過去完了形としての表現として書いたものです」と書いている箇所です。自分は解決済みの問題とは主張していないのに、世間が勝手に誤解したと主張しているんですよね。それでもう一度、前回の文書を読み返したのですが、小室さんが言う通りには読めない。ひと言、「誤解を招いてごめんなさい」と書けば良いのに、「間違っているのはあなたたちだ」と読めるような文章を書いてしまう。ここは象徴的で、小室さんは読んだ人がこぶしを挙げたくなるように書いてしまうんです。

江森 この文書が発表された翌日、秋篠宮家を補佐する皇嗣職大夫が、眞子さまは小室さんと金銭トラブルについて話し合い、今回の文書も相談のうえで公表したと説明しました。小室さんが文書に記した「元婚約者の方とお互いの認識についてきちんと話し合い、ご理解を得たうえで解決する」という対応方針には、眞子さまの意向も反映されていたといいます。そのうえで、眞子さまは「いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」というコメントまで発表された。

 私がそれを知って感じたことは、眞子さまが小室家側に立ってしまったということです。これはすごく心配です。眞子さま内親王という重い立場なのです。小室さんと話すよりも、まずはご自分の両親とよくよく話し合ってもらいたい。そして、内親王としてどう対応すべきかを考えなければいけません。眞子さまの対応に首をかしげざるを得ません。

河西 今のお話はすごく重要だと思います。昨年11月に出された眞子さまの文書を読んだ時にも、「眞子さま大丈夫かな」と不安に思ったんです。特に違和感を覚えたのは、「天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下が私の気持ちを尊重して静かにお見守りくださっている」と書いた部分でした。まるで天皇皇后、上皇上皇后を盾にご自分の主張をしているように読めてしまう。眞子さまは結婚すれば現行の皇室典範では将来の天皇の姉であり、小室さんは天皇の義兄になるわけだから、眞子さまが小室さんに話して立場の重さを理解してもらうべきなのに、自分までもが皇室の立場を使ってしまっている。

「支持率が下がりっぱなしの菅にとって、女性宮家の創設はぜひ実現したい政策のひとつです。もともと総理の政権戦略では、安倍前政権が極端なタカ派政策で女性人気がなかったことから、離れていた女性票を取り戻せば強い政権を作れると考えていた。だから、就任直後から不妊治療を幅広く保険適用するとか、党内で夫婦別姓の議論を始めさせるなど、女性ウケの良い方針を次々と打ち出した。その基本路線は今も変わらない。秋までにある総選挙のためにはなんとしても女性票がほしい。だからこの春に女性宮家の議論を始めさせた」(自民党ベテラン議員)

 女性宮家問題は、古くは小泉政権が検討し、民主党政権でも容認の方向で議論が進んでいたものだ。しかし、保守派を支持母体とした安倍政権では議論を棚上げした。菅義偉・首相はそれを復活させて女性票を掘り起こそうというわけである。もちろん、実際に女性宮家ができるまでにはいくつものハードルがある。現在、行われているのは法改正の叩き台にするための有識者会議にすぎない。

 それすら「選挙前に議論を取りまとめるのは不可能だ。せいぜい年内に答申が出ればいいほうだ」(政府関係者)という見通しで、そのあとに政府・与党で法改正の法案作成に着手し、仮にそれが順調に進んでも、野党とすり合わせて国会で成立させるまでには何年もかかりそうだ。とても菅政権で実現できる話ではないのだが、“女性宮家、やってます”というアピールだけできれば良いのだから、そんな先の話までは考えてないというのが菅氏の本音なのだろう。

 ところが、人気取りのはずの女性宮家創設が逆効果になりかねないのだという。理由は眞子内親王の結婚問題にある。前出の自民党ベテラン議員が眉をひそめる。

女性天皇女系天皇に対しては保守派の反発が強いが、自民党内でも、女性宮家には賛成する声が多い。本来はこの議論はスムーズに進むはずだった。が、眞子内親王と小室氏の問題で国民世論が怪しくなってきた。議論が進むほどに、『眞子内親王女性宮家を作って当主になれば、小室氏も皇室入りすることになるのか』という疑念が出てしまったからだ。言葉を選ばずに言えば、お二人のことが女性宮家の障害になっている」

 現在の皇室経済法に従えば、宮家の当主と配偶者には合わせて年間約4600万円の皇族費が税金から支払われることになる。結婚に当たって支給される一時金についてさえ、「小室親子に渡すのは反対」という世論が強いのだから、「小室殿下」が生涯、税金で贅沢な生活を支えられるとなれば、「そんな女性宮家には反対」という国民の声があがりかねない。だから、政府・自民党内には「眞子さまは早く結婚して皇籍離脱してもらいたい」という“祈り”が広がっているのだという。

「実際には法改正できるのは何年も先だ。それまでに秋篠宮家のお二人の内親王が結婚して皇籍離脱し、法律で『女性宮家を作れるのは内親王』と規定すれば、実際に女性宮家を作るのは天皇家愛子内親王だけになる。もともと党内では、“悠仁親王を将来の天皇にし、愛子内親王女性宮家”というのが理想的な落としどころとされていたから、眞子内親王佳子内親王がご結婚され、愛子内親王が未婚のタイミングで法改正したい。そこから逆算しても、いま有識者会議を始動させるのはちょうどいい頃合いだった。この議論が頓挫するようだと、さらに法改正が何年も遅れて愛子内親王結婚適齢期になってしまう。だから眞子内親王には一日も早くご結婚いただきたい」(同前)

 動機はやや不純だが、なんと自民党内では「眞子さま早く結婚して!」という声が高まっているのだという。秋篠宮家にとっても、最優先の懸案は悠仁親王皇位継承であり、両内親王については皇籍離脱が既定路線とみられている。だとすれば、政府・与党も皇室も、「眞子さまご結婚」を全面的に応援している構図になる。眞子内親王が、力を得て結婚に突き進むのは当然かもしれない。

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