「子どもに『美智子』と名付けたら…」小室圭さんがメーガン妃になる可能性《足りないのは「覚悟と理解」》 #文春オンラインhttps://t.co/gvQupw3uAv
— 文春オンライン (@bunshun_online) 2021年6月19日
英国王室をめぐる騒動が収まらない。6月6日にヘンリー王子とメーガン妃は「6月4日、娘を授かりました。彼女は私たちの想像以上の存在で、世界中から寄せられる愛と祈りに感謝します」と第2子の誕生を発表。さらに、誕生した長女の名前は「リリベット・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザー」だと発表した。ところが今、英国ではこの名づけをめぐって議論が巻き起こっている。
「リリベット」と聞いたときは、私も驚きました。リリベットというのは、エリザベス女王の特別な愛称なのです。女王は幼い頃、自分の名前をうまく発音できませんでした。その発音から祖父のジョージ5世が「リリベット」という愛称をつけたのです。今年4月に急逝した夫のフィリップ殿下も愛情を込めて女王のことをリリベットと呼んでいました。つまり、リリベットとは女王の幼少期を知る血縁関係者と最愛の夫だけが使用していた極めてプライベートな愛称なのです。
身勝手に王室を離脱し、王室批判を続けている夫妻が長女の名付けにそんな思い出が詰まった愛称を使用したことに英国民から反発が起きているのです。ましてや、長年連れ添った夫・フィリップ殿下を4月に亡くしたばかりの女王に対し、英国内では深い同情と、悲しみの中で公務を全うする女王への敬愛が集まっています。そうした状況の中で、この名づけ問題が発生したわけですから、英国民が怒るのも無理はありません。
仮にリリベットという特別な愛称ではなく「エリザベス・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザー」だったら、ここまでの批判にはならなかったかもしれません。ただ、いずれにしても王族の名前を使用するときは、時の君主にお伺いをたてるのが通例です。ヘンリー王子とメーガン妃が、しっかりとエリザベス女王に許可をとったのかどうかは夫妻側と王室側で見解が食い違っており、はっきりとしていません。
ヘンリー王子とメーガン妃の騒動が続く理由の一つは、いくら彼らが「経済的独立をする」と言っても、その経済的独立を果たすためには、王室という肩書に頼って稼ぐしかないからでしょう。メーガン妃は、かつては女優として活動していましたが、その経歴は決してオスカー女優並の華やかなものとは言えません。女優として、彼女が経済的独立を獲得するだけの収入を得ることはほぼ不可能といっていいでしょう。
今のヘンリー王子とメーガン妃を見ていると、「王冠を賭けた恋」とも言われたエドワード8世とつい比較したくなります。1936年、エドワード8世は王であるよりも当時人妻であったウォリスとの結婚を選び、在位期間わずか325日で退位。王室を捨て、フランスのパリ郊外でウォリスと密かに暮らす道を選びました。王室からの手当ては支給されていましたが、英国に戻ることはなくひっそりとフランスで生涯を終えました。
エドワード8世のように、かつては、王室を出て行った者は、あれこれ言うべきではないという“常識”が離脱する側にも備わっていた気がします。しかし、今のヘンリー王子とメーガン妃を見ていると、「何でもあり」になってしまっている。もちろん、王室に対する敬意も時代とともに変化していますし、当時と今では時代性が異なるので、単純に比較することは難しいかもしれませんが、エドワード8世が王室に関する愚痴や批判を言うことはありませんでした。一個人としてこれ以上は言ってはいけないという節度があったように感じます。
どこの国であっても、一般の人間が「王室」に入るというのは並大抵のことではありません。そして同じく、そこから離脱をするのであれば、相応の覚悟が必要なのです。ヘンリー王子とメーガン妃に対し、英国王室側は今のところ、闇雲に反論するのではなく、「Never complain, never explain」(決して不平を言わず、弁明をせず)という姿勢で「大人の対応」をとっています。これはエリザベス女王の母が1936年に用いて以来、女王も掲げてきた王室の伝統です。しかし、国民の怒りは強く、いつそれが「爆発」するかもわかりません。
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