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TSMCは、4月の臨時取締役会で28億8700万ドル(日本円にして3100億円余り)をかけて、中国の南京にある工場の生産能力を増強する計画を決定しました。

計画では、世界的に不足が続く自動車向けなどの半導体の新しい生産ラインを設け、再来年までに量産を始めることにしています。

計画を審査していた台湾当局は、新しいラインで生産される半導体が先端のものではなく、TSMC側が知的財産権保護のための対策を強化しようとしているほか、今後も台湾を最重要拠点と位置づけているとして、28日に計画を許可しました。

デジタル化の進展に加え、経済の安全保障の観点からも半導体の重要性が増す中、世界をリードする技術を持つTSMCは各国から誘致されていて、このうち、アメリカのアリゾナ州に建設中の工場では2024年から量産を始める計画です。

また、日本では半導体関連メーカーと共同で最先端の半導体の研究開発を茨城県つくば市で行うことで合意しているほか、国内に製造拠点を設けることも検討しています。

アメリカのブリンケン国務長官は28日、中東のクウェートでWHOのテドロス事務局長と会談し、新型コロナウイルスの発生源について、WHOが中国で計画している追加の調査を支持すると伝えました。

アメリ国務省によりますと、この中でブリンケン長官は、調査は科学的根拠に基づいた透明性のあるものでなければならないと強調したということです。

新型コロナウイルスの発生源をめぐっては、WHOのチームが中国・武漢で調査し、トランプ前政権が主張した武漢のウイルス研究所からの流出の可能性は極めて低いとする報告書をことし3月に公表しています。

WHOは今月、調査は第2段階にあるとして中国で追加の調査を実施する計画を示したのに対し、中国側は「受け入れられない」として反発しています。

バイデン政権は情報機関に対しウイルスの発生源を再調査するよう指示するとともに中国に情報公開を求めていて、ブリンケン長官が今回、WHOの追加調査に支持を表明したことで、中国はさらに反発を強めるものとみられます。

中国政府はアメリカ駐在の中国大使を8年余り務めた崔天凱氏の後任に秦剛氏を起用しました。

28日、アメリカに到着した秦氏は空港に到着したときの写真をツイッターに掲載し「この国でのこれからの時間を楽しみにしている」と英語で書き込みました。

秦剛氏は、55歳。

中国外務省の報道官を、合わせておよそ9年間務め、2018年からは外務次官を務めていました。

秦大使は、首都ワシントンで記者会見し「中国とアメリカの関係の扉を閉じることはできないし閉じるべきではない。両国はお互いがうまくやっていく方法を模索する新たな段階に入っている」と述べ、関係改善に向けた意欲を示しました。

秦大使はこれまでアメリカ駐在の経験はありませんが、中国としては、前任の崔大使より13歳若い秦氏を新しい大使に抜てきし、関係の立て直しを図りたいねらいがあるとみられます。

東南アジア各国を歴訪中のアメリカのオースティン国防長官は29日午前、訪問先のベトナムでザン国防相と会談しました。

会談の冒頭、オースティン長官は「われわれの目標の1つは同盟国やパートナーがみずから未来を描けるように自由と空間を確保することだ。両国の協力関係を強化し、共通の利益と価値を得るために話し合いたい」と述べました。

ベトナム政府の発表によりますと、会談では安全保障上の課題について意見が交わされ、南シナ海を念頭に「沿岸国の法的権利と利益を尊重し、国際法にのっとった海洋での航行の自由などの重要性を確認した」としています。

そして、両国の防衛面での協力を進めることで合意したということです。

南シナ海では、ほぼ全域の管轄権を主張する中国が、ベトナムなどと領有権を争う中、軍事的な活動を活発化させています。

アメリカは「最大の競合国」と位置づける中国に対抗していくうえで東南アジア諸国との関係を強化したい考えで、今回の国防長官の訪問を通して南シナ海の問題にも関与を強める姿勢を打ち出すねらいがあるものと見られます。

ベトナムは、アメリカと防衛面での協力を進めることを歓迎していますが、中国の海洋進出を抑止するためにどれだけの実効性を持つかについては慎重に見極めていくものと見られます。

ベトナムアメリカは、かつてベトナム戦争で激しい戦火を交えましたが、2015年にはベトナムの最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長が最高指導者として、戦争終結後、初めてアメリカを訪問しました。

2018年以降、アメリカ軍の空母もベトナムの港に寄港しているほか、アメリカがベトナムに巡視船を供与するなど、両国は近年、急速に関係強化を進めてきました。

しかし、この間も中国は南シナ海の島々を埋め立て、軍事目的とみられる施設を建設したり、新たな行政区を設置したりするなど進出を強めてきました。

このため、ベトナム側では、アメリカと連携しても中国を抑止できないのではないかという疑問や、南シナ海が米中の争いの舞台となることで衝突や事故のリスクを高めているという懸念が出ています。

ベトナムとしては、アメリカのバイデン政権の関与が海洋進出を強める中国の抑止につながるのか、具体的な行動や発言に注目しながら慎重に見極めていくものと見られます。

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